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第3回新市場建設協議会議事録

平成14年10月1日(火)14:29~15:37
築地市場第4会議室

(田中幹事)
ただいま委員13名中、全員のご出席をいただいておりますので、第3回新市場協議会を開催させていただきます。
今回も、前回と同様に高津市場政策担当部長と後藤市場政策課長が同席させていただきます。
なお、委員に交代がございましたのでご紹介いたします。
東京シティ青果株式会社代表取締役社長の篠沢社長です。
(篠沢委員あいさつ)
それから、関連協の小俣委員の代理といたしまして、東発株式会社の松本社長にご出席いただきました。

(碇山会長)
それでは、豊・晴計画の再改定案について、事務局から説明をいたします。

(小山委員)
豊・晴計画につきましては、昨年の7月に東京ガスさんとの間で築地市場の豊洲移転に関する基本合意が成立して以来、全地権者との合意、そして、計画の再改定に向けて協議が進められてきたところです。
この豊・晴計画は、平成3年に計画が策定されまして、その後、経済状況等の変化等を踏まえまして、平成9年に改定されたものです。現在は、この改定された計画に基づいて開発を進めておりますが、昨年12月に第7次東京都卸売市場整備計画で築地市場を豊洲に移転するという決定をしましたので、これに伴い、豊洲地区の土地利用計画等について変更する必要が生じまして、地元区、地権者等と協議、調整を行い、関係者の了承を得て、豊洲地区を中心にこの計画の見直しを行ったものです。
それでは、資料1の1に基づきましてご説明します。
「基本的な考え方」「開発目標」につきましては、従来の計画と変わったところはございません。
「開発フレーム」につきましては、市場が豊洲地区に移転するということを踏まえましてフレームの変更を行っております。
築地市場の豊洲移転に最もかかわる部分は、3の「豊洲地区」からです。
(1)の「土地利用方針」は、「業務・商業、居住、市場などの各機能がバランスよく配置された複合市街地の形成を目指すことを重点に置いて、土地利用を進めていく。」ということです。
(2)の「土地利用計画」ですが、次のページの図をご覧ください。再改定後の土地利用計画図は上段です。この図の中で、5街区、6街区の先端部以外の部分、7街区が青くなっておりますが、この部分を市場の移転場所として定めております。道路計画や出入り口の位置などについては、前回の協議会で配付しました資料のとおりです。
この再改定の中で、市場につきましては、(3)「新市場の整備」として、「新市場の整備に当たっては、市場の本来の目的を果たすことはもとより、まちづくりに調和した市場整備を進めるなど、地域のニーズに積極的に応えていくことのできる市場機能の充実を図る。なお、周辺環境に対する負荷の低減や地域のまちづくりに貢献する市場づくり等について、地元区・関係者と十分協議していく。」としております。
資料1の2をご覧ください。ここの29ページに先ほどご説明いたしました土地利用についての図を掲示しております。
次に、40ページをお開きください。
今回の再改定では新たに第Ⅴ章として「新市場の整備」を設けております。先ほど、(3)「新市場の整備」で申し上げました文章は、この章の最初に記載しております。それを受けまして、(1)「生鮮食料品流通の中核としての市場」、(2)「流通形態の変化・情報化に対応した効率的で使いやすい市場整備」、(3)「安全・衛生、環境等に配慮した市場整備」、「(4)周辺交通に配慮した市場整備」、(5)「都民に開かれた、にぎわいと親しみのある市場整備」、以上5項目を設けまして、新市場の考え方を記載しております。
本再改定案につきましては、先週の9月27日の金曜日に、東京都議会の経済・港湾委員会において港湾局から説明、報告をいたしました。これにより、築地市場の豊洲移転は卸売市場整備計画上だけでなく、東京都のまちづくり計画としても決定、位置づけられたことになります。
以上でございます。

(碇山会長)
質問はございませんか。

(関本委員)
補助315号線がどうにかならないかと思っています。業界でいろいろと検討していますが、この位置にあると市場としての戦力が半減するような感じがします。これについては、水産卸売協会の決議ですので改めてお願いします。
315号線の幅は、築地市場と朝日新聞の間ぐらいあると思います。それだけの幅があると、別世界のような感じがすると思います。例えば下の運河の方に通すとか、上の港湾の方を犠牲にしてもやむを得ないと思います。

(小山委員)
今のご質問ですが、お気持ちは非常によくわかります。しかし、今回の再改定については、道路の線形については動かさないことを前提として討議されています。逆に言えば、道路の線形を動かすということは、市場を受け入れていただけない。この件については、どうしようもありません。
従いまして、以前から申し上げておりますように、この6・7街区をいかに有効に使うかということについて、いろいろな工夫をしているわけです。315号線については、高架化を図り、道路下に100mから130m程度の通行路を設けるというようなことを考えています。また、建物の配置等についても、いろいろ使いやすいような工夫をしていきます。こういう道路計画であるということを前提として、使いやすい市場をつくるためにさまざまな工夫をしていかなければならないと考えています。また、皆様方のお知恵を拝借し、ご協力をお願いしたいと考えています。

(鈴木委員)
前回の資料では、卸・仲卸売場は低温化を図るとしていますが、低温下で取り引きされた物が温度管理されていない買荷保管所に搬入されたら意味はありません。市場内におけるコールドチェーン対策をどの程度まで検討されているのかをお尋ねします。

(小山委員)
ただいまの質問は、これからご説明する資料に関するご質問になってしまいますが、ご質問いただきましたので、お答えさせていただきたいと思います。
食品の安全・衛生管理については、豊洲に移転するまでもなく、現在の築地市場においても必要ですし、移転すればなおさらのことだと考えております。
従いまして、品物がどういう状況にあったとしても、低温管理、あるいは衛生的な管理ができるような施設や設備をつくるというふうに考えております。
先ほど、買荷保管というお話が出ましたが、それについてはこれから検討していきたいと思っています。

(伊藤委員)
土壌汚染問題についてですが、最終的に安全宣言をするのは東京都の環境局で間違いありませんか。

(松村委員)
土壌汚染処理については、環境局が、環境確保条例に基づき、現在の敷地の所有者である東京ガスさんに対して指導を行い、鋭意、処理を行っているところです。土壌汚染処理にはいろいろな手続きがありまして、まず、処理についての計画書を環境局に提出し、その計画どおりに処理を行い、完了した段階で完了届けを提出し、環境局の検査を受けるという流れになっています。

(伊藤委員)
関連質問ですが、今後、地下インフラ整備を含め地下開発を行う場合、汚染物質の数値等を確認したうえで行うと考えてよろしいですね。

(松村委員)
東京ガスさんが行った調査とは、地表面をある幅でグリッドを切り、その中を調査して、汚染物質が出た場合には、さらに深いところまで掘り、どの深さまで汚染物質が存在しているのかを調べる方法です。現在、その調査結果に基づき、環境局がどのような処理方法が適当かということを検討しております。
市場が土地を取得する場合には、その調査結果についても併せて取得することが条例上決まっておりますので、地下開発等を行うな場合は、その調査結果から汚染度合等を確認いたします。

(碇山会長)
土壌汚染処理についてですが、環境局は所管官庁として対応します。
土壌汚染についての専門家は環境局ですから、市場はそれについては任せています。しかし、実際に使うのは市場ですから、使う側から処理状況を確認するつもりでいます。その結果、満足できないようであれば、自ら処理を行うというぐらいの気持ちでいます。
土壌汚染については、生鮮食料品を扱うにあたり、全く問題のない状態にいたしますので、ご安心いただきたいと思います。

(伊藤委員)
今のお答えを聞きまして、非常に満足しました。

(碇山会長)
それでは、次の議題に移らせていただきます。
今まで、基本問題検討会を7回ほど行っておりますので、その検討結果について、総括的にご報告したいと思います。

(小山委員)
それでは、ご説明します。資料2と資料3をご覧ください。
基本問題検討会ですが、6月6日に第1回目を開催し、その中で今後の進め方について説明をさせていただきました。第2回目は7月11日に開催し、今後の検討項目について説明をさせていただきました。これについては協議会にも提示しております。その後、第3回目を7月19日、第4回目を8月2日、第5回目を8月23日に開催し、今後の検討項目について包括的に討議を進めてまいりました。そして、9月6日に第6回目を開催し、包括討議の取りまとめを行いました。今日は、基本問題検討会の会長として、この包括討議の結果についてご報告させていただきます。
資料2の最初に「包括討議のまとめ」がございます。これは今まで討議してきたことを簡単にまとめたものでございます。「第3回基本問題検討会から第5回まで新市場検討項目について包括討議を行った。各委員から書面で提出された新市場検討項目に対する団体の意見等と、これまでの討議で出された意見を検討した結果、今後、都案の検討項目に則して、個別の課題について議論する事とした」ということでございます。このまとめに基づきましてⅡの「第7回以降の討議について」のとおり進めたいと考えております。
まず、基本問題検討会での検討ですが、ここに記載してあります「取扱規模」、「部門構成・ゾーニング」、「整備手法・使用料」については全体的、なおかつ共通的な課題ですので、基本問題検討会で検討してまいります。
2番目に、専門部会での検討ですが、ここでは個別課題については細かく専門的に検討する必要があることから、専門部会を設置して検討してまいります。アの「専門部会の設置については次のとおり設置し( )内の事項を検討する。」ということで、一つ目は「物流専門部会」です。ここでは物流システムの他に、冷蔵庫、桟橋設置についても検討してまいります。
二つ目は「交通環境専門部会」です。ここでは駐車場のあり方、車両交通動線、環境配慮、廃棄物対策について検討してまいります。
三つ目は「千客万来専門部会」です。ここでは千客万来のコンセプト、消費者・見学者の対応のあり方、関連事業のあり方について検討してまいります。
四つ目は「卸・仲卸等専門部会」です。ここでは卸・仲卸の中での取引・活性化策の他に、場内、業界の中でのにぎわいのあり方、加工についても検討してまいります。
五つ目は、「安全・衛生専門部会」です。ここでは食品の安全・衛生について検討してまいります。
六つ目は、「情報・IT専門部会」です。情報システム・インフラのあり方について検討してまいります。
なお、まず始めに「物流専門部会」から「卸・仲卸等専門部会」までを立ち上げまして、それぞれの個別課題について検討を進める。「安全・衛生専門部会」と「情報・IT専門部会」につきましては、進行状況を見ながら立ち上げたいというふうに考えております。
1枚おめくりいただきまして、「これまでの開催状況と今後の検討予定」ということで、すでにご説明したの内容と一部重なりますが、説明させていただきたいと思います。別紙の方をご覧いただきたいと思います。「基本構想に関するこれまでの検討状況と今後の予定」です。
左側に協議の段階を記載しております。「協議の開始・包括討議」、「テーマ別検討」、「基本構造取りまとめ」というふうに行います。
表頭に会議別に区分を示しております。
新市場建設協議会は、「テーマ別検討」の最初に、本日の第3回目が記載されております。
基本問題検討会は、3、4、5回目に包括討議を行いました。今後については個別テーマについて検討してまいります。
専門部会は、10月中旬に立ち上げまして、ご説明しましたとおりのテーマ別に検討してまいります。
最後に、翌年の1月以降、それぞれの部会から報告を受けまして、それを取りまとめたうえで、基本構想案を提示してまいります。
以上のような形で進めてきた、あるいは進めていくということです。
次に、検討項目ごとのまとめについてご説明したいと思います。2ページにお戻りください。
IVの「検討項目ごとのまとめ」です。左に検討項目、右にその取りまとめ内容を記載しております。
1番目の「市場の取扱規模、部門構成」ですが、①としまして、「施設計画のベースになる取扱数量は、市場内で荷さばきをする実際の物流量に基づいて考えていく。集散品についてはそれも含めて計画をしていく。その範囲については今後検討する。」としております。②としまして、「業務拡大予測分を加えて現状より拡大したいという意見が多数あった。今後、具体的方策と根拠を討議して判断する。」としております。③としまして、「部門構成については、水産・青果・関連の部門構成を基本とするという業界の意見が多いが、小口、量販店対応機能やワンストップショッピングゾーンを設置すべきという意見、青果と水産の融合を求める意見など多様な意見がある。今後、システム、運用面などを含めて個別の議論の中で検討する必要がある。」としております。
2番目の「動線・駐車場計画、物流・情報システムの構成」です。①としまして、「物流システムについてはスピードアップとコスト削減が必要であるということについての認識は一致している。」としております。②としまして、「プラットホーム型の卸売場については、基本的に賛成するとの意見が多かった。効率的運用について工夫が必要であり今後検討する必要がある。」としております。③としまして、「自動化・機械化については、実際に適用できる方策があるか検討する。」としております。④としまして、「桟橋の建設については、市場施設としての開場時以降の利用見込み等十分検討した上で建設する。」としております。
1枚おめくりいただきまして、「安全・衛生・環境対策」です。①としまして、「食品の安全性の確保、衛生管理の確立は、新市場づくりの必須条件であるということで意見が一致した。」としております。②としまして、「廃棄物の処理については、事業主体である業界団体が中心となって将来を見据えた事業計画を検討する必要がある。」としております。③としまして、「周辺環境に配慮した市場づくりの必要性について、異論はなかった。市場業者として守るべき環境基準を明確化する必要があるため、専門部会で具体化していく。」ということです。
「千客万来の市場づくり」です。①としまして、「市場づくりにあたっては買い出し人等本来業務の市場関係業者でにぎわう部分と地域への貢献の部分については概念を再度整理する。」としております。②としまして、「千客万来ゾーンについては、市場本来のにぎわいを優先すべきとの意見があったが、地域との共存・まちづくりへの貢献という観点から柱のひとつとして取組んでいく。」ということです。
次に、「流通の変化に対応した、卸・仲卸業者の機能と売場施設の検討」でございます。これにつきましては、「東京都が提案いたしました検討項目に沿って専門部会で今後議論を重ねていく。」ということです。
最後に、「整備手法、市場施設の利用及び使用料のあり方」です。整備手法につきましては、「民間による整備を導入していくことについて反対はなかったが法制度の整備を含め東京都として検討を進める中で検討会に提案していく。」という段階です。
今までの検討会における検討状況は以上のとおりです。
資料3につきましては、各団体ご協力いただきまして、非常に多岐にわたるさまざまな意見、あるいは疑問点の提出をいただきました。これにつきましては、後ほどご覧いただきたいと思います。
なお、資料の後半部分に「追加して検討すべき事項」がございます。これは、東京都が提示しました検討項目のほかに、業界側が追加して検討する必要があるという事項をまとめたものです。しかしながら、内容については東京都が提示した検討項目に関する論点の提示という性格のものがほとんどです。
従いまして、「追加して検討すべき事項」につきましては、東京都が提示しました検討項目に沿って検討を進める中で併せて検討するということで、基本問題検討会では了解をいただきました。
1枚おめくりいただきまして、2枚目の「市場開設のあり方」や「土壌汚染問題」です。
「市場開設のあり方」についてですが、基本的には公設公営である。なお、それぞれの施設の建設、あるいは運営等については民間活力を生かして建設する。あるいは運用していくということが考えられます。これにつきましては、基本姿勢として既に申し上げておりまして、それを前提として検討を進めておりますので、改めて検討するということはいたしません。
それから、「土壌汚染問題」についてですが、これは検討するというよりは、環境局並びに中央卸売市場が連携を取り対処していくということで、先ほどご説明したとおりですので、これも改めて検討するということはいたしません。これらにつきましては基本問題検討会で了解をいただいております。
以上でございます。

(碇山会長)
ただいまの件について、質問はありませんか。

(泉委員)
新市場をどういう性格の市場にするかという基本的なコンセプトが、未だにはっきりしていませんから、我々業界の方がこういうコンセプトの市場をつくっていただきたいと申し上げなければいけないと考えています。年内とは言いませんが、年明け早々のこの協議会にでもそれぞれの団体がどういうコンセプトの市場をつくりたいかという一番根幹になる部分をこの協議会で意思表示を行う必要があると思っています。
資料3の「取扱規模」についてですが、「意見要望」として、「量販店の勧誘云々」という築地市場青果部買出人連合会で出したものが載っています。八百屋の団体が量販店を勧誘しているわけです。量販店は競争相手ですが、競争相手といえども、市場に来れば市場が規模拡大をして発展する。それとともに我々も一緒に発展したい。これは連合会が新市場にかける想いです。恐らく他の市場にいる我々の仲間の全団体は、量販店の勧誘なんていうのは言葉にもできないし、全国レベルでは相変わらず対立した状況にあるわけです。しかし、もうそんな時代じゃない。量販店も我々八百屋も一緒に同じ小売業として新しい市場で発展していきたい。それは我々の根幹にある部分です。とにかく、買出人にとって使いやすい市場を要望したいという気持ちを表す言葉として、競争相手の入場も大いに結構ですというふうに申し上げています。
そこで、お願いをしたいのですが、資料2の2ページ目ですが、観念的な文章で書かれているため、イメージが想像しづらく検討のしようがない。特に物流システムというのは、既存のもの、開発中のもの、将来開発できるであろうものという具体的なものがあって、それを組み合わせて検討するという話だと思います。そのためにはイラストなりを見せていただいて、コストやその負担をどうするかという踏み込んだ提案がないと、先に進まないと思います。
また、部門構成の考え方についても、内容が文章だけだと判断できないので、それぞれの案についての長所短所を盛り込んだ、具体的なシミュレーションやレイアウトを提示していただきたいと思います。

(田中幹事)
具体的な議論を行うために、専門部会の設置をします。そこでは、できるだけ、具体的なものを図面等で提示したいと考えています。
しかし、例えばゾーニングなどについては、施設面積などに反映されますので、議論を重ねながら段階的に決めていきたいと思います。

(泉委員)
いずれにしても、初めにコンセプトをきちんと組み上げないで、部分の議論を先行させても何もならないわけです。こういう市場をつくっていただきたいというものは、もちろん我々も提示しますので、コンセプトについては早く決めたいと思います。

(碇山会長)
それについては、常々申し上げていますとおり、今と同じやり方、同じものを豊洲に持っていっても、単なる場所のシフト論ですから意味がないわけです。
今、市場システムそのものが問われていますから、それを抜本的どう変えるかということが大切なのです。ですから、ゾーニングをどうするといった問題よりも、どういう市場をつくるのかという方が大切なわけです。築地市場の外には卸売市場法は適用されません。しかし、市場の外には千客万来がありますし、市場と関連する施設もあります。そういうものも視野に入れて考えていかなければならないと思います。
今の法律の場合、市場用地が40ヘクタールあったとしても、その中にある施設が、今の市場という概念でいえば市場施設ではないと国に言われれば補助金の対象にはならないわけです。それはそれでかまわないわけですが、市場システムを変えていかない限りますます乖離していきます。そのためにも先導役として引っ張る。先行的な市場にすべきだと思います。そこを考えていけば具体的な問題点も出てくると思います。

(伊藤委員)
心配なのは、いろいろな会の整合性がどこで取られるのかと言うことです。それについては、検討会委員が専門部会委員を兼任しても良いという話があったので安心しましたが、これからいろいろな問題について一斉に検討に入りますので、整合のとれた進め方をしていただきたい。
それから、やはり基本コンセプトが決まり、それからゾーニングが決まった時点で、本来は交通アクセスの取りつけ方が決まると思いましたが、それができないということでしたので、せめて基本的なコンセプトを決め、それに基づくゾーニングを決めて、それから各論に入る。これが順番だと思います。しかし、いきなり各論の検討をした。それがゾーニングの中で整合性がとれなくなったときにどうするか。これは大変な問題だと思います。部門構成、ゾーニングについては基本問題検討会が取り扱うというふうになっていますが、本来は、協議会で取り扱うべき事項ではないのかなという気がしています。

(小山委員)
整合性の問題は、これは伊藤委員の御指摘を受けるまでもなく、非常に大事なことだと思っています。現在は、協議会、基本問題検討会、それから専門部会というふうに3段階になっています。従って、この中で食い違いが生じてきた場合には成案が得られないという形になりますので、成案を得るべく、整合性をとっていかなければいけない。我々に課された課題だというふうに思っていますので、十分自覚しながら運営に務めてまいりたいと思っています。
なお、討議の進め方につきましては、ソフト面をまずは進めさせていただきたいと思います。ソフト面については、1回討議したからこれで決めてしまうというようなことではありません。討議がある程度進んだ段階で、全体を通して調整をする機会も設けながら討議を進めていきたいと思います。

(持丸委員)
先ほど、会長から、今までに無いようようなものの考え方という発言がありましたが、これについて、国で開催されている効率化に対する研究会に出席している立場から申し上げたいことがあります。1つは、中央卸売市場という一つだけでものを考えないで、日本の流通全体でものを考えた場合、場外、場内は無いという議論が大分出ています。その場合、一地方自治体の市場をつくる場合にどういう制約ができるのかということ。いろいろな問題があると思いますが、場外流通、場内流通というのは、枠があるからそういう区分になるわけであって、流通そのものは関係ない。そういうものも含めて、施設なりソフトなりという形で新市場が何かを入れるであろうという期待があります。

(鈴木委員)
現状ですと、一民間企業が敷地内に加工場などの施設を所有していますが、新市場になった場合、そういう企業をどうするのかという取扱いや待遇などについて、考え方をお聞かせください。

(田中幹事)
これについては資料3の中にもいろんな意見が出ております。我々は、新市場は今までとは違う市場づくり、新しい流通に挑戦していかなければいけないと常々申し上げております。にもかかわらず、今行っている商売を新市場の中でもそのままやらせてほしい、あるいは行う必要があるという主張を展開した意見が非常に多くありました。
本来市場の機能のあり方、役割のあり方、こういったものを一から議論していきたいということで、具体的な方法論も含めて専門部会まで落として議論していこうという考え方です。
従って、検討会でも申し上げましたが、今行っている既存の事業や、既得権といったものを擁護するとかしないとかいうことを調整する形で市場づくりを行うつもりはありません。今市場の中にある機能をどういうふうに見るべきかという、そこから議論させていただきます。

(関本委員)
5、6、7街区の配分をいろいろ考えなければならないのですが、我々は、将来、この中に多少なりとも高層な建物を建てなければならないだろうと思っています。しかし、5街区には高層建築物は建てられないという話が検討会で出たということを聞きましたが、本当ですか。

(田中幹事)
どういうふうに伝わったのかはわかりませんが、この計画書の中でも用途容積の話が出ておりまして、5街区については、容積率400%というような方向で検討されているようです。高層建築物が建てられないという説明はしておりません。

(関本委員)
それなら結構ですが、何か地域的に、もしくは土壌的にそういうものは建てられない場所なのかなというふうに解釈していました。

(田中幹事)
ただ、基本的には平面での物流の方が効率的であるということは考えておりますから、何でも上下の物流に切りかえるという考え方は持っておりません。しかし、部分的には重層化をしていく。特にオフィス系については当然重層化、高層化するというふうに考えております。

(小山委員)
検討会の中で、具体的に建物の高さなどの話をしておりません。今までは、都が提示した検討項目についての包括的な意見、あるいは疑問を出していただき、それについての包括討議を行っていました。それが一段落しまして、現在、ゾーニングや建物などの検討に入ったというところです。こちらの方も、まだ議論の中でそういうようなお話をした覚えもありませんし、委員の方からもそういうようなご意見が出たという記憶もありません。
しかし、他の説明会などで、田中が申しましたように、オペレーションとしては平面がいいというような話をしたことはあります。物を流すのに、2階に上がったり、地下におりたりということを何回も繰り返すようでは非効率ですので、できるだけ平面で物を流すという方向で考えたいというようなことをお話ししたことがほかではあるかもしれません。しかし、検討会の中ではそういうことも含めてまだ話をしておりません。

(関本委員)
そうすると、5街区だけではなく、6、7街区にも高層建築物を建てることは可能と言うことですね。

(小山委員)
どのくらいの高さというものはあるかもしれませんが、2層、3層程度の建物を建てることは可能だと思います。

(関本委員)
いろいろ協議会、検討会、専門部会というふうに段階を設けて、細部を検討していくことは結構なことですが、難しい問題はやはり協議会ですべて決定していただかないと困ります。検討会や専門部会で既に了解を得てありますから、それでお願いしますなんて言われても、私どもは承知できません。特に卸・仲卸等専門部会で検討する問題などについては、非常に大きな問題ですから、よろしくお願いしたいと思います。

(小山委員)
これは基本問題検討会の中でもご説明しましたが、専門部会は決定する会ではありません。いろんな意見を出す会です。専門部会で集約した意見を基本問題検討会で討議し、それを最終的に決定するのは協議会です。

(関本委員)
建設協議会の開催予定はどうなっていますか。

(小山委員)
資料2の別紙1に一応の目安として、このように開催したいというものを記載しております。本日10月1日、第3回目ですが、この後、専門部会等で検討していただきまして、それを基本問題検討会、協議会と順次上げていきまして、年明けから協議会の方で第4回目、検討会の検討状況報告、第5回、基本構想案協議というふうに進めていきたいと思っております。

(碇山会長)
今日お集まりの各委員の方は、それぞれ築地の業界のトップの方ですから、そういう意味ではこの協議会はトップダウンという意味にしたいと思います。ただ、事務作業がありますので、頻繁に開催はできないと思います。
私からのお願いですが、基本問題検討会や専門部会の中では具体的なことを細部にわたり検討していくわけですが、それについては皆様方が委員に対して指示していただきたいということです。
いずれにせよ、新市場をどうするのかというのは開設者と業界との話し合いですから、基本部分については、全部、協議会で協議したいと思っています。
他にご意見がないようでしたら、以上で協議会を終了したいと思います。ありがとうございました。

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