第56回東京都卸売市場審議会議事録
平成十四年一月二十八日
目次
- 一、開会
- 二、新委員の紹介
- 三、市場長挨拶
- 四、議題 東京都卸売市場整備計画(第七次)の報告について
- 五、閉会
日時
平成十四年一月二十八日(月)午後四時
場所
東京都庁第一本庁舎特別会議室N6
出席者
会長 | 髙橋俊龍 | 東京都競馬株式会社取締役社長 |
---|---|---|
会長代理 | 大森國裕 | (財)東京都弘済会理事長 |
委員 | 大山均 | 東京都議会議員 |
川島霞子 | 東京都地域婦人団体連盟会長 | |
川田一光 | 東京中央市場青果卸売会社協会会長 | |
関本幸也 | 東京都水産物卸売業者協会会長 | |
土屋正忠 | 武蔵野市長 | |
鴇田忠彦 | 一橋大学経済学研究科教授 | |
林知二 | 東京都議会議員 | |
福田順子 | 城西国際大学経営情報学部教授 | |
宮崎章 | 東京都議会議員 | |
矢田美英 | 中央区長 | |
渡辺康信 | 東京都議会議員 | |
幹事 | 碇山幸夫 | 中央卸売市場長 |
長尾至浩 | 中央卸売市場管理部長 | |
石川俊一 | 中央卸売市場計画担当部長 | |
高津満好 | 中央卸売市場調整担当部長 | |
小山利夫 | 中央卸売市場築地市場再整備担当参事 | |
松村進 | 中央卸売市場築地市場再整備技術担当参事 | |
内村修三 | 中央卸売市場事業部長 | |
中澤正明 | 東京都生活文化局消費生活部長 | |
只腰憲久 | 東京都都市計画局施設計画部長 |
第五十六回東京都卸売市場審議会
午後四時 開会
一、開会
後藤書記
大変長らくお待たせをいたしました。定刻になりましたので、東京都卸売市場審議会を始めさせていただきます。
本日は委員の皆様方には、大変お忙しいところをご出席いただきまして誠にありがとうございます。申し遅れましたが、私は書記の後藤でございます。よろしくお願いいたします。
会議に先立ちまして、定足数の確認をさせていただきます。
本審議会は、東京都卸売市場審議会条例により、委員の半数以上の出席により成立することとなっております。審議会委員の定数十五名中、ただいま十一名の方々の出席をいただいております。したがいまして、定足数を超えておりますので、審議会を始めさせていただきます。
なお、本日は上原委員が所用のため欠席されております。
議事に入ります前に、都の幹部職員の異動がございましたので、新幹事の紹介をさせていただきます。
碇山市場長でございます。
高津調整担当部長でございます。
小山築地市場再整備担当参事でございます。
松村築地市場再整備技術担当参事でございます。
只腰都市計画局施設計画部長でございます。
以上で紹介を終わります。
議事に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。
本日の審議会の資料につきましては、既にお手元に配布してございます。「会議次第」「審議会委員名簿」「幹事・書記名簿」「座席表」「審議会条例」、そして「第五十六回東京都卸売市場審議会資料」といたしまして、「資料一 東京都卸売市場整備計画の概要」と「資料二 東京都卸売市場整備計画」でございます。
また本日は、矢田委員よりご要望のございました「築地市場の豊洲移転について」という資料につきまして、会長に事前にご了解をいただきまして、席上に配布をさせていただいております。お改めいただきたいと存じます。
それでは、この後は髙橋会長のほうに議事進行をお願いいたします。会長、どうぞよろしくお願いいたします。
髙橋会長
それでは、ただいまから第五十六回東京都卸売市場審議会を開会いたします。
委員の皆様方には、大変お忙しい中をご出席賜りまして、誠にありがとうございました。会議の進行につきましては、どうぞご協力をよろしくお願い申し上げたいと思います。
まず、議事に入ります前に、前回の審議会の以降新しく委員になられました方がいらっしゃいますので、ご紹介申し上げたいと存じます。
二、新委員の紹介
髙橋会長
まず、石井委員でございます。
後藤書記
まだお見えになっていません。
髙橋会長
まだお見えでないようでございます。また後ほどご紹介します。
川田委員でございます。
川田委員
川田でございます。よろしくお願いいたします。
髙橋会長
林委員でございます。
林委員
よろしくお願いします。
髙橋会長
宮崎委員でございます。
宮崎委員
宮崎でございます。よろしくお願いいたします。
髙橋会長
それでは、お手元に配布してあります審議会会議次第に従いまして会議を進めたいと存じます。
本日の議題は、第七次東京都卸売市場整備計画の報告についてであります。議事に入ります前に、中央卸売市場長であります碇山幹事よりごあいさつがございます。どうぞよろしくお願いいたします。
三、市場長あいさつ
碇山市場長
中央卸売市場長の碇山でございます。
本日は、第五十六回東京都卸売市場審議会に、お忙しい中ご出席を賜りまして、大変ありがとうございます。
本日ご報告申し上げますのは、第七次東京都卸売市場整備計画でございます。
この計画は、昨年四月に当審議会から答申を頂戴いたしました東京都卸売市場整備基本方針に則りまして、整備計画策定の作業をその後進めてまいりましたが、昨年の十二月二十一日に東京都の行政計画として策定したものでございます。
計画の内容につきましては、後ほど担当の幹事からご説明させていただきますが、私からはその基本的な考え方についてご説明をさせていただきます。
整備基本方針でご指摘のありましたとおり、これまでの卸売市場は生鮮食料品流通の拠点として、品揃え、集荷・分荷・物流、価格形成、決済あるいは情報発信などの諸機能を担ってきたものでございます。しかし、ご案内のとおり、流通環境の変化への対応の遅れ、取り扱い量の減少、市場間格差の拡大等の問題に直面しておりまして、現在、市場は重大な転換期を迎えておるわけでございます。
今回の整備計画の策定に当たりましては、こうした基本認識に立ちまして、生鮮食料品流通の全体を広い視点からとらえまして、ソフト・ハードの両面から対策を講じていくものとしたものでございます。
整備計画の実施に当たりましては、多様な整備手法を導入することにより、従来の開設者による整備だけでなく、市場業者の資金やノウハウを活用し、流通環境の変化に対応して、迅速かつ効率的に整備が行えますようにするとともに、社会経済情勢の変化を踏まえまして、競争原理の一層の導入や、これまでの卸売市場を支えてきた仕組みの見直し、あるいは改革、卸売市場の再編・統合など、市場改革に取り組む方向も明確にしたものでございます。
また、築地市場につきましては、本計画の中で豊洲地区に移転することを、都として正式に決定したものでございます。言うまでもなく、今後の新市場の計画づくりや築地跡地の利用計画づくりに当たりましては、地元区、関係者と十分協議をつくして進めてまいりたいと考えております。
今、卸売市場におきましては、市場経由率の低下や市場関係業者の経営の悪化など、さまざまな課題を抱えておりまして、さらに生鮮食料品流通におきます取引形態の多様化、情報化の進展など、さまざまな変化の波が押し寄せております。市場システムのあり方が今まさに問われている時代かと思います。
このような中にありまして、二十一世紀におきます卸売市場の発展のためには、川上から川下まで流通全体をにらみながら、「時代の風に適った市場」とするよう市場改革を進めていく必要があると考えております。
今回の計画を円滑に進めていくためには、当審議会の委員の皆様方を初めとした関係者、関係機関の皆様のご理解とご協力が不可欠であると考えておりますので、今後ともよろしくご指導、ご鞭撻賜りますようにお願い申し上げます。
簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。
四、議題
東京都卸売市場整備計画(第七次)の報告について
髙橋会長
ありがとうございました。
それでは、早速でございますが、議事に入らせていただきます。
次第にございますように、第七次東京都卸売市場整備計画につきましては、事務局からご説明をいただきたいと思います。
石川幹事
幹事の石川でございます。恐縮でございますが座ったままで説明をさせていただきたいと思います。
ただいま市場長から話がありましたように、去る十二月二十一日に決定いたしました第七次東京都卸売市場整備計画についてご説明申し上げます。
この計画は、卸売市場法第六条に基づきまして、東京都が策定いたしました行政計画でございまして、昨年四月十八日に当審議会よりご答申いただきました「東京都卸売市場整備基本方針」に則り、策定したものでございます。
お手元に、資料一の第七次東京都卸売市場整備計画の概要と、資料二の東京都卸売市場整備計画本文をお配りしてございます。資料一の概要でご説明させていただきたいと思います。
この計画は、第一から第七までの七部構成になっております。
第一から第三では、卸売市場全般の現状、卸売市場を取り巻く環境の変化、東京都における卸売市場の現状と課題が述べてあります。
第四及び第五では、目標年度と卸売市場の配置について述べております。
第六では、卸売市場整備計画の総論として、流通の効率化と市場の活性化、流通環境に対応した施設整備の推進、卸売市場の再編・統合など、市場の運営及び整備の基本的考え方が述べてあります。
そして第七では、中央卸売市場の各市場及び地方卸売市場について、具体的な整備計画を示しております。
それでは、一ページをご覧いただきたいと思います。
第一は、「転換期にある卸売市場」でございます。
これまで、卸売市場は生鮮食料品流通の中心的役割を担ってきましたけれども、流通環境の変化への対応の遅れ、取扱数量の減少、市場間格差の拡大等の問題に直面しており、重大な転換期を迎えていることを述べております。
第二は、「卸売市場をめぐる変化」でございます。
グローバリゼーションや情報通信技術の進歩など、社会経済状況の変化は生鮮食料品流通にも大きな影響を与えていること、また、生鮮食料品の生産、流通、小売り、消費者ニーズなど、卸売市場をめぐる環境も変化していることに触れまして、これらに対応した市場運営が必要となってきているとの認識を述べております。
第三は、「東京都における卸売市場の現状と課題」でございます。
東京都の卸売市場は、首都圏における生鮮食料品の集散機能を担っておりますが、多くの市場で取扱高が減少し、市場間格差が拡大しつつあります。また、情報化・物流効率化への取り組みの遅れや、市場業者の経営状況の悪化、衛生・環境問題の対応の遅れ、厳しい財政状況といった、さまざまな課題を抱えていることを述べております。
以上、第一から第三については、取扱金額の数字等について時点修正した以外は、審議会答申で述べられたとおりでございます。
第四は、「目標年度」でございます。第七次東京都卸売市場整備計画は、平成十三年度を初年度とし、平成二十二年度を目標年度とする十カ年計画でございます。
第五は、「卸売市場の配置」です。
まず、配置の基礎となります流通圏につきましては、第六次の計画と同様に都内全域を一流通圏といたしました。
次に中央卸売市場の配置計画ですが、築地市場は現行計画を改め、豊洲地区に移転、淀橋市場の練馬分場は、老朽化した杉並分場を統合して地方卸売市場とし、食肉分場は、食肉市場本場に統合することといたしました。その他の市場については現状の配置と変更はありません。
この結果、中央卸売市場については、青果が九市場・一分場、水産が三市場、食肉が一市場、花きが五市場の配置となります。また、地方卸売市場ですが、青果は十三市場、水産は四市場、花きは八市場の配置になります。
第六は「卸売市場整備計画」でございます。
ここでは、卸売市場整備計画についての基本的な考え方について、答申でいただきました卸売市場整備基本方針に即して示しております。
社会変革の波は急激であり、卸売市場もこのような経済社会のドラスチックな変化を避けては通れません。これからの卸売市場は、取引規制や市場業者の許可制度、川上重視の視点といった、これまで卸売市場を支えてきた仕組みを見直し、競争原理の一層の導入や川下からの発想も重視した仕組みとすべきであります。さらに、適正な受益者負担に基づく計画的な施設整備や、新しい技術やシステムの導入により、市場の活性化を進めていく必要があります。
本計画は、このような社会経済環境の変化に、卸売市場が柔軟に適合していくことを目的としたものであり、今後十年間で着実に実施してまいります。
二ページをお開きいただきたいと思います。
一の「流通の効率化と市場の活性化」では、市場の運営につきまして、
- (一)情報化と物流効率化の推進
- (二)取引規制や市場業者の許可制度の見直し
- (三)市場業者の経営基盤の強化
- (四)決済制度の改善
- (五)都民に親しまれる市場づくり
といった五つの基本的考え方が述べてあります。
二の「流通環境に対応した施設整備の推進」では、施設整備につきまして、
- (一)適切な施設整備の推進
- (二)健全な財政計画に基づいた整備
- (三)多様な整備手法の導入
- (四)衛生対策の強化
- (五)環境対策の促進
といった五つの基本的考え方が述べてあります。
多様な整備手法の導入では、流通環境の変化に迅速に対応するため、市場業者自らが施設を整備できる手法も導入することとし、これに必要な関係規程を整備いたします。また、今後はPFIによる施設整備の導入の可能性等についても検討してまいります。
三は「卸売市場の再編・統合」です。
交通網の整備や市場間格差の拡大、さらには都市計画的観点などから、現在の配置の再検討が求められております。また、流通の効率化や経営の健全化の観点からも、市場の再編・統合が避けられない状況となっており、今後、具体化に向けて検討してまいります。
三ページをご覧ください。
第七は「市場別整備計画」でございます。
まず、中央卸売市場の整備計画についてご説明申し上げます。
各市場の整備については、流通環境の変化や競争の進展が市場に及ぼす影響に留意しつつ、先に述べました整備計画の基本的考え方に基づき、開設者による整備だけでなく、施設を使用する市場業者の資金やノウハウも活用しながら実施してまいります。
主なところをご説明いたします。
最初に築地市場でございます。
情報化、物流の効率化、衛生・環境対策の強化を実現し、二十一世紀の生鮮食料品流通の中核を担う市場へと再生するため、現行の計画を改め、築地市場を豊洲地区に移転することといたします。今後の新市場の基本計画づくりに際しては、周辺環境に対する負荷の軽減や、地域のまちづくりに貢献する市場づくりなどについて、地元区・関係者と十分協議してまいります。
なお、移転するまでの間、現市場の暫定整備を実施いたします。
次に食肉市場でございます。
老朽化した施設の集約化、近代化を図りながら、特に衛生対策及び周辺環境に配慮した整備を進めます。また、食肉分場については、食肉市場本場に統合いたします。
大田市場ですが、中核的な市場として、その機能を十分に発揮し、効率的な物流システムを構築するため、新たな整備手法により、市場業界みずからの資金とノウハウを活用し、青果部及び花き部に荷捌き施設等を整備いたします。都としては、このために必要な関係規程の準備を進めております。
また、隣接する花き部北側用地については、花き部の駐車場問題の対応等を含め、市場用地として活用してまいります。
淀橋市場については、新たに整備したスロープなどの活用によって、場内動線の改善を図るとともに、狭隘な市場の効率的な活用を図るため、既存の仲卸業者売場棟などの施設の再配置を含めた検討を踏まえ、必要な整備を行います。
また、練馬分場は、民間の活力を導入することとし、老朽化した杉並分場を統合して地方卸売市場といたします。
なお、松原分場については、安全対策を講じる一方、将来のあり方について検討してまいります。
多摩地域青果卸売市場については、中央卸売市場に相応しい取扱規模の市場を設置することや、適地の確保が困難となっていること、及び地方卸売市場の中にも集荷力のある市場が育っていることなどを考慮し、新たな中央卸売市場については今後の長期的課題とし、当面、整備を見送ることといたします。
次に、二 地方卸売市場でございます。
多摩地域の水産市場につきましては、民営地方卸売市場の果たす公共的役割を踏まえ、今後とも施設整備事業費補助制度により支援してまいります。
多摩地域の青果市場につきましては、施設整備事業費補助制度の充実により支援を行っていくとともに、①八王子北野、②東京青果昭島、③小平丸新城西、④三鷹、⑤国立及び、⑥東久留米の六地方卸売市場を「中核的地方卸売市場」とし、国の定める支援を行ってまいります。
多摩地域の花き市場につきましては、適地の確保や取扱規模等の問題を考慮し、中央卸売市場としての整備は行わず、今後は地方卸売市場の活性化が図られるよう支援を行ってまいります。
以上、大変雑駁でございますが、第七次東京都卸売市場整備計画のご報告とさせていただきます。
髙橋会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの報告につきまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたしたいと思います。ご発言は着席のままで結構です。
矢田委員
中央区長の矢田美英でございます。ただいま、第七次東京都卸売市場整備計画のご説明がございました。移転問題に揺れる築地市場について質問いたしたいと思います。
本日も、築地市場場内、また、場外で活躍、活動されている多くの皆様方、また小林議長、渡部副議長など区議会の皆様方も大勢お見えでございます。本区において、この築地市場がいかに関心が強いか、また、大きな問題になっているかということを示すものだろうと思います。
委員の皆様方にかわられた方もおられるということでございますし、また、幹事も何人かの皆様方に異動があったということでございますので、具体的質問に入る前に、私の築地市場に対する基本的な考えを若干説明させていただきたいと思います。
築地市場は、ご案内のとおり、すぐれた交通利便性を持った都心に位置いたしております。そして、都民の安定した食生活を支える基幹市場としての役割を果たしてきたわけでございます。また、本区におきましては、本区のシンボルとして区民に愛され、親しまれてきたわけでございまして、築地という地域にもぴったりと融合されまして、築地ブランド、そういう独得の文化も生んでいるということでございます。
無論、今、築地市場が手狭になっている、あるいは老朽化が進んでいるということでございますし、また、周辺に交通渋滞等を起こすという点もございますから、この移転が時代の要請であるという考えもわからぬわけではございません。しかしそれは、しっかりとした現在地以上の余裕を持った土地がしっかり確保され、また、あそこで活躍、活動されている六団体を中心とした皆様方、さらに場外の皆様方、江東区など関係区の皆様、そうした関係者の理解を得て初めて移転ということが可能になるのではないかと考えるところでございます。
そうした意味におきましては、まだまだいろいろと疑問があるわけでございます。そうした疑問について、私自身、これまでも当審議会でたださせていただいてきましたし、都民の台所を守るという観点から、これからも始終質問させていただきたいと考えるわけでございます。そうした観点に立ちまして、個別の問題について質問いたします。
まず、この整備計画の発表の手法、手続です。手続があまりにもルール違反、アンフェアであると認識いたしております。これまでの整備計画は、この審議会でまず審議を経て、そこで初めて発表してきたわけです。今回はそうした手続を抜きにして、まさに手抜きで昨年の十二月二十五日に急遽発表をした。事前に、私のところに十二月二十五日に発表するということがございましたから、私自身は碇山市場長にも、しっかりと審議会を開いて、そこで手続を踏んで公表するようにということを申し入れたわけでございますが、これを信義違反というか、そうした手続を踏まないで発表した。このことはルール違反であり、アンフェアであると認識いたしますけれども、市場長はどういう認識なのか、その点を伺いたいと思います。
私自身、若いころ三年ほどアメリカに生活いたしましたけれども、あそこの国はルール違反、アンフェアな態度はほんとうに通用しない社会であるわけであります。また、市場長のボスである石原慎太郎都知事、あの人もどういうふうに評価しているか存じませんけれども、やっぱり石原さんのすばらしさというのは、あの正義感です。また、ナショナリズム、合理性、こういうものがあろうかと思うんです。あの人からこの三点を取ったら普通の人になってしまいかねない。特に正義感。百万人といえども我行かんというほどの正義感を持たれている方だなと思うわけでございました。あの方は、アンフェア、ルール違反を嫌う都知事であるわけでございます。そういうトップをいただきながら、こうしたアンフェアな姿勢は、知事の顔に泥を塗るというようなオーバーなことは申しませんが、これはいろいろ問題を持っていると思うわけでございまして、市場長はそういう意味での認識と、今後こうしたルール違反をしない、その反省に立って、ルール違反、アンフェアなことは今後しないんだということを貫いていただきたい、このことをまず要望させていただくわけでございます。
次に内容についてお聞きしたいと思います。
私たち、区議会と一体となって、平成十一年十一月十日に五つの疑問を東京都に提出させていただきました。そして、その回答が二年後の十三年七月十二日にまいりました。きょうその回答を委員の皆様方に配布させていただいたわけでございます。
髙橋会長は、副知事や港湾局長もやられた方ですけれども、この五つの疑問に対する回答を見ていかが認識されますか。これは随分とあいまいな表現になっています。協議を行っていくとか、対応策を検討するとか、抽象的なものの羅列に終始して、明確なものはほとんどない。ほとんどというか全くないわけでございます。私たちの疑問、つまり、豊洲に移転して四十ヘクタール確保すると。その確保はどうなっているのかということです。
それから二番目には、現在の二十三ヘクタール、築地の都心にかけがえのない二十三ヘクタールは、今後どういうふうに活用されるのか。また、都心から豊洲への交通アクセス、これはどういうふうに整備していくのか。また、場内と一体となって今日まで発展してきた場外の皆様方にはどういう対応をするのか。それから、これから十年以上もかかるであろう、そういう間、防災面を含めて現市場に対してはどのような整備をされる計画なのか。この五つの疑問に対する考え方、七月十二日には一たん回答が来ましたけれども、その後、これが明確になってきているのかどうかをお聞きしたいと思うわけでございます。
そのほかに土壌汚染、さらに財政上の問題です。市場整備と道路整備の財源、財政上の観点、そういう意味では五つの疑問がさらに膨れて七つの疑問になってきているわけでございます。こういった点について市場長の考え方をお聞きしたいと思うわけであります。
特に、第一の豊洲地区の用地確保、これは昨年七月に築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意が発表されました。これは都と東京ガスが築地市場の移転を織り込んだ豊洲のまちづくりを協力して進めていくことを合意したものでございますが、その中で、今後、全地権者との最終合意の締結に向け、協力して協議を進めていくとしております。この最終合意がなされない中で整備計画に豊洲移転を書き込むことは適切なのかどうか、この点をお聞かせいただきたいと思います。また、全地権者との豊洲に関するまちづくりの検討状況、その内容も明らかにされるよう求めます。
第二に、現築地市場用地の扱いであります。この五つの疑問に対する東京都からの回答では、豊洲への移転費用を捻出するため、原則として売却するとしております。都民の貴重な財産である都心の二十三ヘクタールという広大なこの土地の有効活用については、将来に禍根を残さないように、慎重にして賢明な判断が求められると思います。また、この市場移転後は、市場長自身はどのようなまちづくり構想をえがいているのか。また、東京都の見解を求めます。
三番目に、交通アクセスの問題であります。交通アクセスについては、その整備スケジュールなど明らかになっておりません。前回の審議会においても、幹線道路の整備が豊洲への移転のかぎを握っていると計画部会委員のご発言にもありましたように、大変重要な事項であります。前回の答弁では、晴海通りの延伸は平成十七年に完成、環状二号線は、現在の計画では平成二十七年となっておりますが前倒しをしたいとしております。特に、環状二号線については大変あいまいな内容の答弁であります。一日に五万人以上の市場利用者等の出入りや、一万七千台の車両に見合った交通アクセスが確保できるのかどうかはっきりしないようでは、整備計画は絵にかいたようなもちにすぎないと思います。改めて責任ある明確なスケジュールを示すべきでございます。お答え願いたいと思います。
第四に場外市場への対応についてであります。
築地市場の移転は、これは、現在の場外市場四百店舗ほどがあるわけですが、これはほんとうに死活問題。この場外のあるグループの決意表明にも、移転されて壊滅的打撃を受けるというふうに述べているわけでございます。こうした場外市場の皆様方にはどのように対応していくのか。その点をお聞きしたいと思います。
それから、移転までの間の現市場の整備、これは今回多少触れておりますけれども、防災面での整備に触れていないようでございます。交通動線や卸売場の再配置、および低温卸売場等の整備などを十五年度までに完成するとしているわけでございます。これらは市場にとって必要な整備と受けとめておりますが、市場の従業者一万六千人、買出人等三万六千人といった大勢の人々の出入りがある市場で、かつ、開設以来七十年近く経過しようとしている施設でございます。ことしは関東大震災からちょうど七十九年になるということで、いつ大きな地震が来ても不思議ではないと言われているわけですから、そういう中での見解をお聞きしたいと思います。
それから、新たに起こった土壌汚染についてでございます。土壌汚染は大変な問題であると。この食の安全性、既にマスコミでも報道されておりますとおり、学者、専門家からも市場移転ということに疑問視がされているわけでございます。そういう意味で、この土壌汚染をどういうふうにクリアしていくのか。委員の中にはあの程度の土壌汚染は何ということはないという、のんきな父さんみたいな発言もございましたけれども、やはり、命と健康の問題に直結するわけでございますし、これまでもエイズ問題とか狂牛病問題、行政の対応がいろいろと不信を招いたわけでございますから、そういった点も絡めて、土壌汚染に対して見解を求めたいと思います。
七番目に財源です。幹線道路整備のための費用につきましては、前回の審議会において国費の無利子貸付制度の創設など、国の資金に依存した考え方が示されております。都財政がいっそう厳しくなってきている状況の中で、豊洲での市場整備や幹線道路整備などの確実な財源確保の見通しは立っているのかどうか、この点について明快な見解を示していただきたいと思います。
とりあえず、以上について碇山市場長のご見解をお願いいたします。
碇山市場長
お答えいたします。築地市場が日本におきます基幹市場であり、建値市場、集散市場であるということはもちろんでありますし、また、矢田委員がおっしゃいましたように、築地市場が日本橋市場から移転した後、今日まで区の文化のシンボルになっているということは、私自身重々承知してございます。この築地市場を何とかしなければいけないという思いは、私も矢田委員も一緒じゃないかというふうに考えてございます。
今回の第七次整備計画に当たっての都の計画の正式の変更と申しますのは、今後、築地市場を豊洲に移転するに当たりまして、中央区初め関係区と十分協議して、中央区の場合には跡地利用という問題、江東区におきましてはどういう新市場になるか、付加価値のついた新市場になるか、こういうものを十分協議させていただきたいとの思いでございます。したがいまして、東京都として現行計画のまま協議するということは、これは出し得ないということで、私ども、答申の趣旨に基づきまして今回の計画を策定したものでございます。
ただいまお話にありました七つの疑問でございますが、具体的には担当の部長からお答えを申し上げさせていただきますが、せっかくの矢田委員のご指名でございますので、考え方だけ申し上げさせていただきます。
いずれにいたしましても、築地市場の移転という問題は、東京都政におきまして極めて大きなプロジェクトでございます。私ども、中央卸売市場という一部局だけでは、なかなかなし得ない大プロジェクトであると認識しております。昨年、中央区のほうから五つの疑問、ただいま矢田委員からプラス二つということで七つの疑問でございますが、そういう意味で、私ども中央卸売市場当局だけでなく、東京都の関係局一丸となって、推進に向けて努力しているわけでございます。四十ヘクタールの土地の確保につきましても、関係局において今いろいろ地権者協議を踏まえまして、鋭意進めておるわけでございまして、私どもとしましたら、四十ヘクタールは確保できるという見通しでございます。築地市場の用地の扱いについても、中央区あるいは都心におきます二十三ヘクタールという広大な土地、この土地をどうするかということは、東京のまちづくりにおきます極めて大きな意義を有するものでございまして、今後十分、跡地利用計画について協議をさせていただきたいと思います。
それから次の交通アクセスの問題でございます。新市場はいろいろ付加価値がつく市場でございます。私どもとしましても、可能な限りモーダルシフトを講じまして、交通渋滞にならないように知恵を絞り、工夫を凝らしてまいるつもりでございますが、それにしても広域幹線につきまして、環状二号線、あるいは晴海通りの延伸、首都高晴海線等々の交通アクセスの問題につきましても、十分進めてまいる考えでございます。
場外市場でございます。場外市場が主に都民の買い出しに応じる方々が随分いらっしゃいます。また、一方においては築地市場とのリンク、関係において、築地市場と一緒になってやっている方々もいます。どういう形が一番いいのかというのは、場外市場の方々と十分詰めてまいりたいと考えております。
それから、現市場の整備でございますが、私ども、第七次整備計画におきましても暫定整備ということでうたっております。昭和十年の建設以来、足かけ六十八年を経過しております。限界ぎりぎりに来ております。かといって過剰な経費というものもかけづらい。しかしながら、新市場ができるまではそれをもたせなくてはいけないということもございます。そういう意味で、一定の現在地での暫定整備をやってまいりたいと考えてございます。
土壌汚染と財源の問題でございますが、土壌汚染につきましては、関係の局と一緒になりまして、土壌汚染の回復に努めてまいり、それに基づいて土地を取得するということで、回復可能と考えてございます。財源につきましても、しかるべき財源については確保し、加えまして、新市場の財源について一部報道にありましたように、一般会計に貸して返ってこないということは全くございません。そういう意味で、必要な財源については確保して新市場の建設に向けて努力してまいる考えでございます。
具体につきましては、担当の部長からご説明させていただきます。
矢田委員
最初の手続について、もうこういうことはしないということかどうか。
碇山市場長
手続につきましては、矢田委員のほうから要望ということだったのでご答弁を申し上げませんでしたけれども、当時、昨年の暮れにこの計画を策定するときに審議会を開くべきだということですが、これまでにおきましては、審議会を開いて同時的に発表するというやり方が通例で、一部過去の事例を調べますと、今回のような場合もあったと認識しておりますけれども、いずれにしましても、私どもは審議会を開いてやるというふうには考えておりました。事前に矢田区長にお伺いしたときもそういうふうにお話ししましたが、何分とも年末ということでありましたので、日程が合わなかったということでございます。そういう意味でご理解を賜りたいと思います。
小山幹事
それでは、個別の問題に対しましてご答弁を差し上げたいと思います。
まず土地の確保でございますが、ご案内のとおり平成十三年七月六日に、豊洲地区の最大地権者であります東京ガスと基本合意を締結したところでございます。これによりまして、土地の確保の目処が立ったと考えてございますが、その後、全地権者との協議に移っておりまして、その中でも全地権者から豊洲地区への市場の移転については賛同を得ているところでございます。最終合意はこれからということになるわけでございますが、私どもとしては、全地権者の同意を得て土地の確保につきましては目処が立ったと考えてございます。
次に、跡地の問題でございます。矢田委員のお話にもございましたとおり、私のほうはこれを売却いたしまして、移転の費用に充てるということを基本に考えております。この土地につきましては、都心部の開発ポテンシャルの大変高い土地でございますので、その取り扱いについては、矢田委員ご指摘のとおり慎重に検討していかなければならないものだと考えております。都心地区の整備指針、これにのっとりながら、また地元区の皆様のご意見もお聞きしながら、今後、跡地の利用方策について検討してまいりたい。この点については、東京都といたしましてきちんとした対応をしていきたいと思っております。
三番目のアクセスの問題でございます。アクセスにつきましては、晴海線の延伸、平成十七年度、ゆりかもめ、平成十七年度、それぞれ開通。環状二号線につきましては、東京構想二〇〇〇の中で平成二十年完成という数字が出ております。現在、建設局を中心といたしまして、早期にこれを完成すべく、財政面、技術面を含めまして、鋭意検討、努力中でございます。
場外市場への対応でございますが、場外市場のほうからもいろいろな決意等が出されております。私どももまたお話も伺っております。それによりますと、現在地に残って営業を続けられる方、それから、豊洲に一緒に移転を希望される方、ご意見はさまざまなようでございますが、大宗といたしましては、現在地に残って営業をしていくという方々が多いというふうにお見受けをしてございます。いずれにいたしましても、私どもは場外市場の方々のご意見をお伺いしながら、例えば豊洲に移られる方々につきましては、豊洲に移った後どのような形でまちづくりの中に溶け込ませていくか。それから、残った方々につきましては、跡地利用との一体性というようなまちづくりの考え方というようなものも含めて話し合っていきたいと思っております。
それでは、現市場の整備の問題でございますが、現市場、特に矢田委員のお話で防災面をご心配ということでございます。現市場の整備の考え方につきましては、物流動線の確保、物流の効率化、衛生面での確保、低温流通の確保、老朽化対応と、この三つを柱といたしまして、現市場の整備に取り組んでおるところでございます。老朽化対応ということで、防災面につきましては耐震の調査をいたしました。必要に応じ、耐震補強工事を施していく予定でございます。
次に土壌汚染の問題でございます。平成十三年一月二十五日、東京ガスが土壌汚染について発表をいたしました。それによりますと、シアン等六種類の公害関係物質があるということでございます。環境局の指導のもとに、東京ガスでは平成十三年二月から、この除去、回復作業に努力をしているところでございます。私どもといたしましては、環境局と十分な連携をとり、土地を購入する際には、その使用に支障がないことを確認した上で購入していくという考え方でおります。
財政の問題でございますが、財政につきましては、私どもの方、市場の財政、建設財政につきましては今後二年間かけまして、基本構想、基本計画というふうに進めてまいりますが、その中で算定をしていきたいと考えてございます。しかしながら、私どもの財源といたしまして、企業債等を充てる予定でございます。一般会計に貸し付けております二千四百億円、それから築地市場跡地売却経費、こういったようなものも考え合わせれば、十分対応できるものと考えてございます。
矢田委員
それぞれご答弁ありがとうございました。
手続ですけれども、十二月二十五日、東京都の名誉のために申し上げたいと思いますけど、東京都の税制調査会なんか、今市場長、日程の調整がつかなかったとおっしゃいましたけども、クリスマスだなんだという年末の忙しいときにちゃんと税制調査会が開いているんです。三人の副知事も出られましたし、環境税、炭素税を導入という画期的な全国で初めてのことをその調査会で決めまして、ただちに知事にも答申ということです。やはり、熱意、意思です。努力すれば、私はこの日程は同時に審議会を開いて発表ということはできたと思うんです。ですから、今後はそういうようにやっていただきたいと思います。
また、今ご答弁をお聞きしましたけれども、いろいろ疑問はまだまだ尽きないわけです。でも、時間の都合もありますし、他の委員の皆さん方もご質問があるでしょうから、私の質問はこれで終わらせていただきます。
髙橋会長
築地問題について早速のご発言もありましたので、まず築地市場につきましてご発言をいただいて、その後他の市場を取り上げたいと思います。いかがでしょうか。
川島委員
今、矢田委員からのお話がありまして、質問の回答も読ませていただきましたけれども、私は、ともかく一消費者といたしまして、消費者団体の代表ということでここに出ております。ほかの先生方はそれぞれのご専門がお有りになりますけれども、私は、一消費者として何が一番不安であるかということでございます。
一つは、現市場の整備の問題ですけれども、これはしっかりとやっていただかないと、これから何年間かは現市場で走っていくわけですから、毎日毎日の口に入ります生鮮食料品の安全ということを考えますと、やはりこれはいい加減なことではすまされないと思っております。腰を据えて、これはこれとして一つの大きな問題としてやっていただきたい。プロジェクトとしてもやっていただきたいというふうに思っております。市場で働いていらっしゃる方、それから買いにいらっしゃる方、皆さんのためでもあるし、何よりも都民の健康、命とくらしを守るという観点からは、これはぜひともお願いしたいと思います。
それと、やはり豊洲の問題ですけれども、豊洲へ移転することにつきましては賛成の方々、また反対の方々と、いろいろとおありになったと伺います。けれども、賛成の方も反対の方もおしなべて都民でして、やはりこれで豊洲に移るとなれば、この土壌汚染の問題はとても大きな問題でございます。伺うところによりますと、地権者の東京ガスが誠意を持ってやっていてくださるということでございますし、環境局でも責任を持ってそれを指導していらっしゃるということでございます。私は何をかいわんやでございますけれども、先日、土壌専門の環境学会の会長という学者にお伺いしたところによりますと、日本の環境庁の基準というのが少々甘いと。ですから、やはり基準に則ればそれでいいと言ってしまえばそれまでですけれども、東京都の場合は、いつも国より先駆けて、いろいろな面で都民のために大変によい施策をなさっていらっしゃるということがございますので、欧米並みに厳しい基準を達成するような土壌の改良ということもやって、国を引っ張っていただきたいなと、私は一都民として思っております。そういう意味で、これからも念には念を入れて、上物が建ってしまって市場が開設されてから何かが出てきたということでは、その改善のためには莫大な費用がかかるわけで、幸い、今は更地で一番やりやすいときですから、徹底的に土壌の入れかえ、改良を東京ガスにお願いしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
髙橋会長
ありがとうございました。それでは渡辺委員、よろしいですか。よろしければおかけになったままで。
渡辺委員
ちょっとお聞きしたいんですが......
川島委員
これはお願いですから。答弁をどうぞ、お願いいたします。
小山幹事
現市場の整備の問題でございますが、委員ご指摘のとおり、築地市場に限らず、市場というものは食品の安全な提供、衛生的な提供、安定的な提供ということが使命でございます。ましてや、築地市場は日本の基幹市場ということでございますので、なおさらということがございます。この市場が豊洲に移転するということで、この後、現築地市場がそういった面でおろそかになるということはあってはならないことと私どもも認識しております。したがいまして、これから三年間、十三年度から十五年度の三年間、集中的に投資をいたしまして、先ほども矢田委員のご質問にお答えをしたときに申し述べましたが、物流、それから衛生、老朽化対応といったことを中心にしながら、今委員ご指摘の面に十分配慮をした整備をしていきたいと考えております。
次に、土壌汚染の問題でございますけれども、土壌汚染につきましては、東京ガスが誠意を持って対応しているということでございます。それに対して、環境局は監督指導という立場でもって対応しているということでございます。環境局のほうは逐次必要な指導をしており、また、今後もしていくということでございまして、念には念を入れた指導がなされるものと考えております。私どもは、その環境局と十分に連携をとりながら対応をしてまいり、購入の際には市場としての使用の安全ということを念頭に置いて確認の上、購入するというふうにしております。ご安心いただいて結構かと思います。土壌の回復はできるものというふうに考えております。
髙橋会長
はい、先生、よろしいですか。それでは渡辺委員。
渡辺委員
何点かちょっとお聞きしたんですが、改めてもう一回聞かせていただきたいんですが、築地の跡地の問題ですけれども、これが売却するという方向だということで話がありました。これはきちんと計算をしているわけではないと思うんですけれども、おおまかでいいんですけれども、大体どれくらいの売却代金が見込まれるのかということが一つ。
それから、豊洲に移って豊洲の整備費に大体幾らぐらいかけようとしているのか。その中で、用地費とか設備費というのがある程度考えられているのではないか。というのは、先ほどのお話で、築地を売って、これまでの神田市場跡の二千四百億円があって、そこにまた起債するということであれば、十分間に合うのではないかという話がありました。そういうことであれば、ある程度のことは考えられているのかと思いますので、その辺をお聞かせいただきたい。
それから、もう一つは、いわゆる今の経済情勢というのは大変な実態にあるわけです。それで、赤字経営が続いている業者の方が多いと聞いているわけです。そういうことを踏まえて、大規模化した場合の減価償却は相当なものだと思うんです。これは、現行の使用料などにどうはね返るのか、この辺の問題はどうなっているのかお聞きしたいと思います。
それから、整備計画の概要についてお聞きします。ここに、取扱数量の減少とあるように、多くの市場で取扱高が減少しているということでいろいろ指摘されています。その上に立って市場整備計画として見ると、競争原理の一層の導入と、さらに、適正な受益者負担に基づく計画的な施設整備や、新しい技術やシステムの導入により、市場の活性化を進めるとありますが、この競争原理の導入の考え方、それから受益者負担に基づく新しいシステムの導入とはどういうことなのかをお聞かせ願います。
それから、次のページになりますけれども、取引の透明性を確保するとともに、従来の仕組みを見直す、これは取引規制の緩和ということなのですが、この緩和を進めることが相対取引そのものをもっと拡大することにつながるのかということです。
それから、PFIでやるということで、どういう方法を用いて考えられているのかということをお聞かせいただきたい。
最後に、この整備基本計画というのは、先ほど二年後というお話がありましたけれども、これは基本的にどう受けとめたらいいのかお聞かせいただきたいと思います。
碇山市場長
何点かのご質問でございますが、渡辺委員の後のほうの競争原理の導入、取引規制の問題、PFIの問題についてお答えいたします。
これは、冒頭のごあいさつの中で触れましたが、市場システムというものが現在、過去からずっと続いておるわけでございますが、生鮮食料品の流通システムとすれば非常に効果的であるし、あったということは、これは論をまたないというふうに私は認識しております。
ただ、市場外流通だけではなく、いろいろなニーズの変化というものがありまして、今市場システムが直面している課題、言い方を変えれば、解決を迫られている問題が山ほどあるということでございます。したがいまして、この市場システムをどういう形で変容・変革・改革していくかというのが、私ども東京都だけではなく、全国の中央卸売市場の開設者共通の課題であり、悩みであるというふうに考えてございます。市場法の枠組みの中で、市場システムの外でいろいろな競争取引が行われており、それが今、市場システムに飛び込んできていると。その中で、市場システムをどういうふうに改革していくかということが課題かと思っております。
私も、市場長着任以来、いろいろな形で市場システムの改革というものをやるべきだと唱えておりますし、全国の中央卸売市場協会としても同じことを考えております。現に、農水省のほうでも競争原理の導入、あるいは市場の競争力強化のために何をすべきかということを、今あちらこちらで検討しております。そういう意味で、この第七次整備計画のソフト面の中で、例えば申し上げた幾つかの観点について方向づけを示したということで、具体にはどういう形で規制緩和をし、あるいはどういう形で取引の形態を変えていくかというのが今後の問題と考えております。その辺につきましては、動向を見まして順次ご報告をさせていただきたいと思います。
それから、ご質問の残余につきましては、それぞれ部長のほうからお話をさせていただきます。
小山幹事
それでは、私のほうから、跡地の売却代金、豊洲の整備のほうの用地費の問題、最後に整備基本計画というふうにおっしゃいましたが、これは豊洲に関してのご理解ということで、それにつきましてのご答弁をさせていただきたいと思います。
跡地の売却代金でございますけれども、これはどのような跡地にしていくかということで動きがかなりあろうかと思います。その辺のところは今後の問題として、都市計画局、中央卸売市場、地元の中央区、あるいは地元住民の方々と話し合っていかなければならないところかと思います。それによって代金も変わってくると考えております。場合によっては、かえって低くなるというお話も聞いております。したがいまして、私どもとしては、現在ここでお幾らとお答えできる状況にはございませんということでご理解をいただきたいと思います。
豊洲の移転先の用地費でございますが、これにつきましては、現在、全地権者、都関係各局を含めまして、ここの土地区画整理事業をどういった形で進めていくのか、どういった街にしていくのかということで協議中でございます。その中で、用地にどのような価値が出てくるかが決まってくるわけでございます。協議中のことでもありますし、まだ結論が出ている話でもございませんので、これにつきましても恐縮でございますが、ご容赦いただきたいと思います。
最後の整備基本計画でございますけれども、委員ご指摘のとおり、今後二年間ほどをかけまして、基本構想、基本計画という形で話を進めてまいりたいと思っております。その中で経費の関係につきましても、積み上げ、明らかにしていくというふうに考えてございます。
長尾幹事
減価償却と使用料との関係の件ですが、これは先生ご指摘のとおり、私どもにとっても非常に大きな課題でして、立派な施設をつくればつくるほど減価償却もかさむわけです。それで、この大きな課題というのは、実は私どもだけではなく、実際に市場を使って使用料を負担されている業界の皆さんにとって非常に、ある意味でいうと死活問題にかかわるぐらい大きな問題になってまいります。そのため、一昨年になるんですが、市場長の私的な研究会として使用料問題の検討会を設置いたしまして、昨年の十月まで約一年半かけて、学識経験者のほか、業界の皆さんにも入っていただいて率直な意見交換をやってきております。
その中では、施設のつくり方を工夫する必要があるのではないか、方法論ですね、それから市場別の使用料も検討すべきではないかなど、いろいろな意見が出てきておりますが、申しわけないのですが、今後こうするという明確な方針はまだ出ていないのが実情です。これから豊洲にどういう市場をつくるかによって変わってまいりますが、とにかく業界とよく相談して、実際に負担ができて、なおかつ現行の使用料体系と矛盾が出ない、あるいは業界の皆さん方が体系的に納得ができるもの、その辺をよく意見交換をしていきたいと思っております。非常に重い課題で悩んでいるというのが実情でございます。
林委員
私も、前は経済・港湾委員会とか、昨年の予算委員会でもいろいろやっておりますので、あまり突っ込んだ話ではなく、今回の場合、先ほど矢田委員がおっしゃっていたように、日程の調整がつかなかったというのは、とにかく日程を決めて、集まってくれるかどうかやってみるべきだと私自身も思います。あとは一人一人のこの審議会に対する思いの差があって、来たり、来なかったりというのは当然ありますけれども、定足数も決まっているわけですから。日程調整をして十二月にいかがですかと言えば、みんな忙しいと言うのは当たり前なのだから、その辺は今後の審議会の日程を組むときに、そういう思いでやっていただきたいと思います。
それと、中央区に回答を出されたわけですけれども、全地権者という表現になってますが、東京ガス以外にどの程度あるのか、もし具体名を出すことができるのでしたら、出してほしいということ。やはり、東京ガスが終わったから、小さな土地を持っている人の方へという流れになっているのだろうと思うんです。ですから、前にも指摘しましたけれども、とにかくそれはあまりにもお上的な発想のやり方ではないかと思います。その辺、答弁をいただきたいと思います。
それから、中央区との関係は先ほどの発言で大体わかりましたけれども、江東区との話し合いがどの程度までいっているのか。それと、土壌汚染の新聞記事などを見ると、口に入る食品を扱う市場がなぜ土壌汚染のあるところに移るのかというのは、普通の都民だったら当たり前にそう思うと思うんです。東京ガスが大変誠意を持って回復してくれるでしょうということですけれども、東京都民からすれば、そこに行かなくてもいいわけですよ。なぜ、よりによって土壌汚染のあるところへ行かなければいけないのと。普通に考えれば、回復すれば、そこを購入するときに回復する費用も上乗せされるのは、社会通念といいますか、当たり前だという感覚で受けとめると思うんです。しかも、豊洲のほうは今まで東京都が主導で都市計画をやろうということで土地区画整理事業をやってきて、それを途中で市場を移転する。何か思惑がありながら、市場サイドを引っ張ってきたという思いが僕はどうしてもぬぐい去れないんです。その辺を教えていただければ、教えてほしいというふうに思います。
小山幹事
全地権者の方々でございますが、東京ガス以外では、東京電力、鉄鋼埠頭株式会社、東京都、この四者でございます。
それから、江東区との交渉状況でございますが、江東区のほうには、東京ガスとの間で基本合意が結ばれました七月六日以降、八月七日に東京都として江東区を訪問いたしまして、これまでの経過を報告するとともに、協議開始の要請をいたしました。これを受けまして、江東区議会の中に清掃港湾・臨海部対策特別委員会というのがございますが、そちらが九月四日に開かれまして、私ども、その席上でこれまでの経過、新しい市場への考え方等についてご説明申し上げております。その後、この委員会におかれまして、築地市場、大田市場、移転予定地である豊洲を視察されております。それから、豊洲の住民の方々につきましても、私ども、説明を一回させていただいております。
土壌汚染につきましては、消費者の方は当たり前にそう思うというお話でございます。そのままでしたらそのようなこともございましょうが、東京ガスさんと環境局、それから私どもの連携で、土壌汚染の回復を図るということで進んでおります。その後につきましては、生鮮食料品を扱う市場として十分に耐えられる土地、汚染を回復した土地となるものと考えています。
そういったものがありながら、なぜ豊洲が必要なのかというお話でございますが、一つには、現在の築地市場があまりにも狭く、新しい物流の姿、これから求められる物流のあり方に対応できない。それから、衛生面を考慮いたしますと、さまざまな衛生対策の設備等を設けなければならない。さらに、川上、川下の物流の変化等を考えますと、リテールサポートに対応した設備、施設等を設けていかなければならない。さらに、物流の実態を考えてみました場合、現在築地の中に他の市場等へ回される荷物も混載されて運ばれてくるという実態もございます。そういったものを吸収しながら市場をつくっていく、またそういった設備のあり方を考えながら市場をつくっていくということを考えますと、今回豊洲で四十ヘクタールと考えておりますが、やはりその程度の規模の市場が必要になってくる。そういったことから、豊洲を選択ということになったわけでございます。
林委員
今言われた説明すべてが、そういう状況だからなぜ豊洲に移らなければいけないのということにもつながると思うんです。本当に先の物流のあり方とか、今現在いろいろな形で、先ほど重大な転換期にあるという言葉がありましたけれども、まさにそういう感じですよね。私は練馬なんですけれども、すごく興味がありまして、寿司屋さんにしろ、小料理屋さんにしろ、魚屋さんにしろ......、魚屋さんなんかは、魚屋さんだけでやっている店がほとんどなくなっている状況ですし、また寿司屋さんなんかでも、買い出しに行く人は、少なくともおれの息子はやらないだろうという人のほうがまず多いです。宅配の寿司屋さんが多過ぎて、商売は本当に厳しいという人が多いですし、そういうことを考えると、今の説明が、だから何で四十ヘクタールも広いところをあれして移る必要があるのかという。しかも、今まで現在地整備でずっとやってきたわけです。それに引きずられて業者もいたわけですけれども、経過は前から教えていただいていますが、そういう流れを見ても、なぜ豊洲なのかというのは、私は今でもまだ疑問に残っているところなんです。またいろいろな場で明らかにさせていただきたいと思います。
皆さんはあと十年先、豊洲に移ったときに東京都から離れていらっしゃるだろうと思いますが、それにかかわっている人たちは、ある意味では当代の人もそうだし、次の時代の人にしても、やっぱりその家なり、お店なりの死活をかけた問題ですから、ぜひそういう意味でも十分な協議を、いろいろな方面に対する話し合いを深めていただきたい。そしてまた、情報をできるだけオープンに出してほしいということもお願いしたいと思います。
髙橋会長
ほかにございませんか。
それでは、築地問題につきましては、以上ご発言がないようでございますから、続きまして、築地市場以外の市場に対するご意見を承りたいと思います。
宮崎委員
築地のほうが大変長いご質問がありましたので、多摩地域の青果市場の整備について、少しお伺いをしておきたいと思います。
多摩地域については、青果物物流の基幹的な施設である中央卸売市場の整備は、区部と比べて大変おくれているわけであります。今回も、第七次整備計画の中では、取扱規模や適地確保が困難で、地方卸売市場の中にも集荷力のある市場が多少は育っているというお話があるわけです。長期的な課題としても、今回は、当面整備を見送るとなっております。同時に、多摩地域の地方卸売市場については、施設整備事業費補助制度の充実により支援を行っていくと掲げてあります。
私、きょう初めて審議会に参加させていただきましたが、築地市場については、移転の方向性があると。夢が少しあるのかと思ってみたりいたしております。多摩地域には三百八十万、四百万になろうという人口を抱えております。多摩地域は、中央卸売市場をつくってくださいとお願いしているんです。もう第七次まで来ている。それの中でも、当分は見送ると。何だか築地さんのお話を聞いていると、ぜいたく三昧の中の悩みなのかと私なりに思っております。多摩は、是非つくってくださいと言っているんです。それでも、現在の中では難しいようでございます。多摩地域の青果物の流通は、その大半を地方卸売市場が担っている状況であります。中央卸売市場と比較しますと、施設整備の面はまだまだ立ちおくれております。残念ながら、中央卸売市場の整備を当面見送るということであれば、その間、補助制度の充実など、多摩地域の地方卸売市場に対する支援を大幅に増大しながら、今後の充実を図っていくべきだと私は思っております。ご見解、いかがですか。
内村幹事
多摩地域の青果市場の整備についてでありますが、ただいまの宮崎委員のお話のとおり、多摩地域の青果物流通におきましては、現在地方卸売市場が大きな役割を担っております。
しかし、一方で中央卸売市場に比べますと、施設の整備におくれが目立ちまして、時代に対応した冷蔵庫など、品質管理の施設や、あるいは情報処理施設などの機能を高度化した施設が求められている状況にあります。このため、多摩地域の地方卸売市場の整備につきましては、流通環境の変化に対応した施設整備が図れるよう、平成十二年度に国により創設されました中核的地方卸売市場制度の活用を図るとともに、それぞれの市場のニーズに応じまして的確に対応し得るような、地方卸売市場施設整備事業費補助制度がございます。厳しい財政状況の中ではございますけれども、この補助制度の改善に努めるなど、その支援策の一層の拡充に努めてまいりたいと考えております。
宮崎委員
今、国も施設の充実を図っていただけるというような答弁、大変ありがたいと思っております。
もちろん、いろいろ事業補助をしていただけるのはありがたいわけですが、その中で補助率というのがあります。補助金だけ順番に少しずつ上げていっても、機械を大型化したり、高くなったりしていきますと、現実的には同じレベルで、同じものしかつくっていけない、その補助金だけだと私は判断するんですが、補助率を含めた拡充というのはできますか。
内村幹事
補助制度の改善につきましては、多面的に検討したいと思っておりますけれども、特に、今、時代に要請されておりますものにつきましては、例えば補助率を高めるなど、またその中身についても市場のニーズに応じながらよく精査をして、要望にこたえてまいりたいと思っております。
宮崎委員
今のご答弁で十分納得するわけでございますが、東京都一千二百万都民、築地は一番大きな東京都民の台所というのは、私たちも多摩に住んでいて理解はしているつもりでございます。しかしながら、築地だけが市場ではございませんので、ぜひ多摩地域においても、四百万になろう多摩の人口の中で、将来に向かって中央卸売市場をつくっていただくよう、要望して終わります。
髙橋会長
ほかにございませんか。
どうぞ、渡辺委員。
渡辺委員
この第七次整備計画について、私の意見を申し上げておきたいと思います。
まず、「計画先にありき」といって、私はこれまで指摘してきましたけれども、四月十八日、市場審議会で移転を答申しましたが、市場の中には、答申だけで中身がはっきりしない、都として早く決定してほしいという意見があると聞きました。東京都は、それに従って正式に決定をし、せんだって発表をしたわけでございます。しかし、まだ六次計画そのものが改定されていないという状況だということで、早急に七次整備計画を審議会等で決めてほしいという意見もあると聞いておりました。今日の審議会は、そういうものにこたえられた中身として開かれたと思っています。これは、全体の関係で言えば、反対の意見もいまだ根強く残っており、反対の声を抑えていくためのものでしかないと言わざるを得ないと思っています。
私は、これまで「移転先にありき」を申し上げてきましたけれども、この移転問題というのは非常に重大問題だけに、市場関係者全員の意見をくみ上げてほしい、その必要はあるんだということを強く要望してきたところです。しかしながら、市場当局は、それを実行してこなかった。多くの関係団体や、組合員さんからも数多くの要望書が提出されてきました。一向にこれにこたえてこなかったというのが実態ではないでしょうか。各卸あるいは仲卸など、六団体の役員関係者の意見を主として取り上げてきたという感じは否めないと思います。
どうしても移転したいというのなら、それなりに反対される団体や業者の方々に理解してもらえるような内容とともに、話し合いを十分やるべきだと私は思います。そういうものもやらないで、一方的に移転を発表して反対を抑えていくというのは、民主主義にも反すると言わざるを得ません。
二番目は、売却するという話がきょう出されました。中央区にとっては、経済的影響ははかり知れないものがあると思います。それだけでなく、仮に民間ディベロッパーにゆだねられるということになったら、まちづくりというものがメチャメチャになると危惧するところです。神田市場の売却金二千四百億円、あるいは企業債で十分間に合うという話がありました、もちろん築地の売却も含めてですけれども。そういう話が出されましたけれども、豊洲に移ってからの後が大変だと私は思います。例えば、減価償却はどうなるか。あるいは、起債の償還は大変だと思います。莫大な減価償却による使用料も現行より大幅に増額されることは避けられないと思いますし、そうなれば、業界や業者の皆さんの死活問題にもなりかねない。私は、築地は狭いというのはわかりますけれども、なぜ豊洲なのか、大規模なのかという点では疑問に思います。
三番目は、豊洲移転についてもいろいろ聞きましたけれども、明確な答弁は何も出ていない。今後協議していくというのがほとんどであります。これでは、どのような論議をしていいのか、あるいはどこがいいとか、どこが悪いという議論にもならないのではないかと思います。財源的にどうなるのか、市場経営はどうなるのかということもわからない、また使用料もどうなるのか。業界、業者にとっても、不安で仕方ないだろうと思っています。すべて明らかにされた中で、具体的な審議、議論をすべきだと私は思えてなりません。
最後に、もう一つは、競争原理の一層の導入ということがうたわれておりますが、競争原理だけで中央卸売市場の役割は果たせるのかという問題です。私は、競争原理というものを導入するという点から言うと、今の相対取引がもっと拡大されるのではないかという不安も持っているんです。また、受益者負担ということでの原理原則だけでは、都民への安くて、新鮮で、安全なものを提供することが難しくなるのではないかという感じもいたします。そういう意味で、都民の食卓を守るという点から言えば、競争原理ということだけにゆだねるのではなく、やはり都としての役割をしっかりと果たさなければならないのではないかと思います。
相対取引への対応も、そうした競争原理の一層の導入によって場所が広くなったからといって、相対も拡大されるようなことのないように、特段の指導をお願いしたいと思います。競りの活性化という点からいっても、相対取引についてはもう少し厳しく対応していただきたいと思います。
市場のコントロールを全般的に確立するように、この場で強く要望して、私の意見としたいと思います。この第七次整備計画については、きょうは議論はあまりできませんでしたけれども、私は、この整備計画には反対を表明しておきたいと思います。
関本委員
いろいろとご意見があったようでございますが、私はここにご案内をいただいておりますとおり、中央卸売市場の中の審議会委員としてここへ出席しているわけであります。きょうの審議会での東京都の発表は、昨年四月の審議会の答申を尊重されまして、今回第七次整備計画の中で、築地市場を豊洲地区に移転すると明確に表現していただいたわけでありまして、生鮮食料品の消費や流通環境の変化への急速な対応が必要となっている今日、これまでの移転か現在地かの論争に終止符を打ち、市場の進むべき道を一日でも早く決めていただくことが築地市場業界の多数の念願であります。都の方針決定を心から賛同するものであります。今後、関係区の協力を得まして、アクセス道路の完成など、移転に向けた課題は多いのでございますけれども、これらの課題を一つ一つ解決しながら、新市場の実現に向かって邁進していただけるようにお願いするわけでございます。
いろいろご意見がございましたけれども、実際に使っておる我々が、ここで賛同するということを明言いたしまして、私の話を終えたいと思います。
髙橋会長
川田委員、何かありますか。
川田委員
ございません。
髙橋会長
福田委員、どうですか。
福田委員
別にございません。
髙橋会長
それでは、ご意見の開陳が大体終わったようでございますけれども、最後に、土屋委員から全体的な点についてのご意見があるということでございます。
土屋委員
本日の議題ではないんですけれども、狂牛病の影響を受けて、市場がどういう影響を受けたのか、あるいは受けなかったのか。受けたとすれば、どういう影響だったのか。後日で結構ですから、ペーパーで出していただきたいと思います。
会長、ぜひお取り計らいをよろしくお願いいたします。
五、閉会
髙橋会長
はい、わかりました。
それでは、ほかにご意見がないということでよろしゅうございますか。
それでは、ご意見も出尽くしたようでございます。
閉会の前に、碇山市場長より一言ごあいさつがあるそうです。よろしくお願いします。
碇山市場長
本日は、第七次整備計画の策定に伴いまして、その整備計画の内容につきましてご報告させていただきました。委員の皆様方には、多くのご意見を頂戴しまして、大変ありがとうございました。
先ほど来お話し申し上げましたとおり、私ども市場は、この時代の中にあって、市場はやはり骨太でなければいけない、あるいは付加価値のついた市場というものを求める必要が今十分にあるわけでございます。そのような意味で、前向きな市場改革、これを十分に見据え、ご答申の趣旨を踏まえまして、この整備計画を実施してまいりたいと、かように考えてございます。
ご論議にありました築地市場の移転問題につきましては、今後関係機関とも十分協議いたしまして、鋭意かつ誠意ある協議をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
また、本日は、第十五期審議会委員の皆様方の任期が本年の二月九日までということで、きょうは今期最後の開催となりますが、二年間にわたり私ども中央卸売市場当局に対しまして熱心にご審議を賜りましたことを厚く御礼申し上げる次第でございます。委員の皆様方には、今後とも市場行政にご理解とご協力を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
本日は、誠にありがとうございました。
髙橋会長
最後に、私、会長を務めさせていただきましたが、あいさつをということでございます。
ただいま市場長の話にもありましたように、第十五期の審議会委員としては最後の審議会でございました。平成十二年二月に就任して以来、早いもので二年たちました。この間、今期の審議会委員としては、第七次整備計画策定に向けて整備基本方針の諮問を受けましたが、昨年四月には答申の運びとなった次第であります。委員の先生の皆様には審議会の運営につきましてご協力をいただき、ほんとうにありがとうございました。特に、この間、計画部会委員となられました方は、十三回にわたってご議論いただきました。その大変なご労苦に対しまして、会長として心から厚く感謝を申し上げます。
本日、当審議会の答申に即した第七次卸売市場整備計画につきましては、市場当局から報告を受けましたが、厳しい流通環境の中で今後とも市場機能を十分に発揮していくためには、この計画を着実に実施していくことが不可欠であると考えます。市場長以下、職員の皆さんのさらなる努力を期待しております。
以上、簡単でございますが、審議会会長としてのごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。
それでは、これをもちまして、第五十六回東京都卸売市場審議会は終了させていただきたいと思います。本日、委員の皆様には、長時間にわたって貴重なご意見等をいただき、ありがとうございました。
午後五時四十五分 閉会