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第57回東京都卸売市場審議会議事録

平成十五年五月十三日

目次

  • 開会
  • 市場長挨拶
  • 委員の紹介及び幹事の紹介
  • 議題
    • (一)会長選任
    • (二)豊洲新市場基本構想について
  • 閉会

日時

平成十五年五月十三日(火)午前十時三十分

場所

東京都庁第一本庁舎北塔 四十二階 特別会議室A

出席者

会長 髙橋俊龍 元東京都副知事
会長代理 大森國裕 (財)東京都弘済会理事長
委員 石井義修 東京都議会議員
川島霞子 東京都地域婦人団体連盟会長
川田一光 東京中央市場青果卸売会社協会会長
関本幸也 東京都水産物卸売業者協会会長
土屋正忠 武蔵野市長
林知二 東京都議会議員
福田順子 城西国際大学経営情報学部教授
宮崎章 東京都議会議員
矢田美英 中央区長
渡辺康信 東京都議会議員
幹事 碇山幸夫 中央卸売市場長
橋本康男 東京都中央卸売市場管理部長
石川俊一 東京都中央卸売市場事業部長
高津満好 東京都中央卸売市場市場政策担当部長
井戸秀寿 東京都中央卸売市場参事(新市場建設担当)
松村進 東京都中央卸売市場参事(新市場建設技術担当)
岸信子 東京都中央卸売市場参事(調整担当)
只腰憲久 東京都都市計画局都市基盤部長

第五十七回東京都卸売市場審議会

午前十時三十分 開会

一、開会

後藤書記
大変長らくお待たせをいたしました。定刻になりましたので、東京都卸売市場審議会を始めさせていただきます。本日は委員の皆様方には、大変お忙しいところご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。申し遅れましたが、私は本日の書記を仰せつかっております後藤でございます。よろしくお願いをいたします。
本日は審議会の初めの部分だけ、映像の撮影のため報道機関のテレビカメラが入っておりますので、よろしくお願いをいたします。
会議に先立ちまして、定足数の確認をさせていただきます。本審議会は、東京都卸売市場審議会条例によりまして、委員の半数以上の出席により成立することとなっております。審議会の委員の定足数十五名中、ただいま十三名の方々の出席をいただいております。従いまして、定足数を超えておりますので、審議会を始めさせていただきます。
なお、本日は、鴇田委員、上原委員の二名の委員が所用のため欠席をされております。
当審議会は昨年二月に審議会委員の改選がございまして、今回は改選後初めての審議会でございます。東京都卸売市場審議会条例の定めるところに従いまして、後ほど皆様の互選により会長職の選出をお願いすることとなっております。それまでの間、恐縮でございますが、当審議会の幹事でございます高津市場政策担当部長が進行役を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

高津幹事
ただいまご紹介いただきました中央卸売市場市場政策担当部長の高津でございます。よろしくお願いいたします。皆様に会長をお決めいただくまでの間、僭越ではございますが、私が進行役を務めさせていただきます。
それでは、お手元に配付してございます次第に従いまして、議事を進めさせていただきます。
始めに、碇山市場長よりごあいさつを申し上げます。

二、市場長挨拶

碇山市場長
市場長の碇山でございます。本日は第五十七回の東京都卸売市場審議会に、お忙しい中ご出席を賜りまして、大変ありがとうございます。本日ご報告申し上げますのは、豊洲新市場基本構想でございます。平成十三年四月に当審議会からご答申をいただきました東京都卸売市場整備基本方針を踏まえまして、同年の十二月に東京都として第七次の東京都卸売市場整備計画を策定いたしまして、前回五十六回になりますが、当審議会でご報告をさせていただいたものでございます。
この整備計画の中で、築地市場を二十一世紀の生鮮食料品流通の基幹市場として再生させるため、築地市場を豊洲地区へ移転することといたしたものでございます。本日のこの豊洲新市場基本構想は、新市場づくりの第一歩として、その基本的な考え方や建設の方向を明らかにしたものでございます。言うまでもございませんが、今流通構造の多様化や情報化の進展、あるいは食の安全への関心の高まりなど、生鮮食料品流通を取り巻く環境は大きく変化しておりまして、卸売市場は今大きな転換期を迎えております。今後ますますスピードの度を速めてまいります社会経済状況の変化に鋭敏に対応していくためには、市場の取引や運営方法など、これまでの仕組みを大胆に見直していかなければならないと考えております。
豊洲新市場がこれまでの市場の制度や仕組みを東京から変えていく礎となる、まさに東京発の市場改革が結実した市場となりますよう、また東京から拓く市場の新時代にふさわしい市場といたしまして、産業、経済を支える原動力となるよう取り組んでまいる考えでございます。今後とも新市場開設に向けまして、当審議会の先生方始め、関係者、関係機関の皆様のご理解とご協力が不可欠と考えておりますので、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございます。

三、委員の紹介及び幹事の紹介

高津幹事
続きまして、今回新しく委員になられました先生をご紹介させていただきます。三原委員でございます。

三原委員
どうそよろしくお願いします。

高津幹事
なお、前期より引き続き委員をお願いしております先生方につきましては、誠に恐縮でございますが、時間の関係もございますので、お手元にお配りしております委員名簿をもちまして、ご紹介に代えさせていただきます。委員名簿をご覧いただきたいと思います。
続きまして幹事でございますが、前回の審議会以降の人事異動に伴いまして変更がございますが、お手元にお配りしております幹事・書記名簿をもちまして、紹介に代えさせていただきます。同様にご覧いただきたいと思います。

四、議題

(一)会長選任

高津幹事
それでは次に、会長の選任をお願いいたしたいと存じます。会長職につきましては、東京都卸売市場審議会条例第五条の規定によりまして、委員の互選により決定されることとなっております。よろしくお願い申し上げます。
どなたかご推薦いただければ、幸いでございます。

関本委員
発言させていただきます。よろしゅうございますか。それでは、前期に引き続きましてご苦労さまでございますけれども、高橋委員にぜひ会長をお引き受けいただきたいと、かように思いますが、皆さんはいかがでございましょうか。〔「異議なし」の声あり〕

関本委員
ありがとうございました。

高津幹事
ただいま関本委員からご提案のございました高橋委員に会長をお願いすることにつきまして、異議なしとのお声がございました。よろしゅうございますか。〔「異議なし」の声あり〕

高津幹事
それでは、皆様ご賛成のようでございますので、高橋委員に会長職をお願いすることといたしたいと思います。ありがとうございました。高橋会長、早速ですが会長席にお移りいただきたいと存じます。
それでは、会長が決まりましたので、私の進行役はこれで終わらせていただきます。ご協力ありがとうございました。
高橋会長、よろしくお願いいたします。

高橋会長
ただいま会長にご推薦をいただきました高橋でございます。就任に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
これまで卸売市場は、生鮮食料品流通の中心的存在として重要な役割を担ってまいりました。しかしながら、卸売市場を取り巻く環境は急速に変化しており、そのあり方が問われております。このような状況の中で、会長職を引き続きお受けするわけでございます。皆様方のご協力を得まして、会議が滞りなく進みますよう全力を尽くしてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
さて、それでは会長の職務代理者を選任いたしたいと存じますが、条例によりまして、会長が指名することとなっております。恐縮ではございますが、私からご指名をさせていただきたいと存じます。お忙しいところ、大変ご苦労に存じますが、大森委員にお願いしたいと存じますが、いかがでしょうか。〔「異議なし」の声あり〕

高橋会長
ありがとうございます。それでは大森委員、会長代理席へどうぞよろしくお願いします。
では、早速でございますが、大森会長代理から一言、ごあいさつをお願いしたいと思います。

大森会長代理
大森でございます。会長代理を仰せつかりました。会長を補佐いたしまして、この審議会が円滑に運営できるように努力をしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

高橋会長
どうもありがとうございました。

(二)豊洲新市場基本構想について

高橋会長
それでは、お手元に配付してございます次第に従いまして、会議を進めたいと存じます。まず、本日の議題でございますが、事務局から説明をお願いいたします。

井戸幹事
おはようございます。幹事の井戸でございます。よろしくお願いいたします。
それでは豊洲の新市場の基本構想につきまして、ご説明させていただきます。新市場の建設につきましては、先ほどの市場長あいさつにもございましたけれども、平成十三年四月の本審議会から頂戴いたしました卸売市場の整備の基本方針を踏まえまして策定されました、第七次の卸売市場整備計画におきまして、豊洲地区での新市場建設が決定されました。その後、市場業界との間に新市場建設協議会を設けまして協議を重ねてまいりましたけれども、それらを踏まえまして策定したものでございます。本基本構想につきましては、新市場建設に向けました第一歩としまして新市場づくりの基本的な考え方や方向を明らかにしたものでございます。お手元には基本構想の本文と要約を配付してございますけれども、資料一の要約に基づきましてご説明させていただきます。
それでは資料一をお開き願います。目次がございますけれども、本構想につきましては第一章から第四章までの四部構成となってございます。第一章、「新市場建設の意義」では流通環境の変化の様相と、その下で卸売市場が直面している課題及び新市場建設の必要性を第七次の整備計画の内容に則してまとめております。第二章の「新市場のコンセプト」でございます。新市場が目指すべき方向や新市場において達成すべき目標を提示いたしました。第三章の「新市場づくりの基本方向」でございます。新市場予定地の位置ですとか規模、目標取扱量などの基本的条件と、流通の変化への対応、環境整備、千客万来の各分野ごとに新市場づくりのための方策を記載いたしました。第四章には「建設予定スケジュール」を示してございます。それでは一ページをご覧いただきいと存じます。おめくりください。第一章、新市場建設の意義でございます。項目の一では、流通環境の変化でございます。流通環境の変化への対応の遅れですとか、取扱量の減少などから卸売市場は今転換期にあること、またグローバリゼーション、あるいは情報通信技術の進歩等の社会経済状況の変化、消費者等の生鮮食料品をめぐるニーズの変化などが生じていることを述べてございます。さらに、今後の卸売市場が目指すべき方向として、取引規制、あるいは市場業者の許可制度など、これまでの卸売市場を支えてきた仕組みを見直し、競争原理の一層の導入、あるいは消費者からの発想も重視した仕組みとすること、さらに適正な受益者負担に基づく施設整備、多様な整備手法の導入など、市場の活性化を進めていく必要があるというふうに示してございます。
二の築地市場の課題と新市場建設の必要性でございますが、築地市場はご承知のように、首都圏の広域の流通拠点、さらに集散拠点といたしまして、全国流通の要の位置を占めておりますが、昭和十年の建設当時、都内六百万人に生鮮食料品を供給することを目的として建設されました現在の築地の市場の施設規模では、流通の変化への対応などの課題を解決することはできなくなっております。築地市場を次世紀までも見据えました首都圏の生鮮食料品流通の中核を担う市場とするためには、情報化、物流の効率化、衛生管理体制の強化を実現しまして、さらに食生活の変化に対応できるような加工、あるいは配送等の新たな付加機能が求められており、これらを実現するため、東京都は豊洲への移転を決定したところでございます。二ページをご覧ください。第二章、新市場のコンセプトでございます。新市場のあるべき姿を消費と流通の変化への対応、地域のまちづくりと環境への配慮、都民と消費者に開かれた市場づくりの三つのコンセプトに集約いたしました。一の消費と流通の変化への対応といたしましては、都民の台所、首都圏三千三百万人の基幹市場、出荷者、買出人の期待に応える市場、食の安全と安心、健康と豊かさを提供できる市場、IT化やグローバル化など将来の流通の変化に対応できる市場の四つの実現を目標として掲げてございます。二の地域のまちづくりと環境への配慮でございます。これにつきましては、市場活動に伴う環境への負荷を低減し、地域の景観と調和した市場とするため、車両による排気ガス・騒音の抑制、あるいは省エネ・リサイクルの推進で環境負荷を低減する、地域の景観と調和した緑豊かな市場をつくるの三つを目指しております。
三の都民と消費者に開かれた市場づくりでございます。これまで市場はややもしますと、市場関係者のための施設といったとらわれ方がされてきましたけれども、これからの卸売市場は買出人、生産者、流通業者、消費者相互の交流と理解の場を提供するという役割を担う必要があると考えております。そのため市場内の一角に、市場関係者が新商品や内外のマーケット情報を求めて集まる場、あるいは消費者が多様な食材、食の創造に出会える場としての千客万来ゾーンを設置しまして、市場関係者にとっても、また都民の方、地域住民の方、消費者にとっても魅力ある市場ならではのにぎわいを創出することを目標として掲げております。
三ページをおめくりください。第三章、新市場づくりの基本方向でございます。全体で六項目ございます。第一が新市場予定地の概要でございます。現在、この豊洲地区につきましては区画整理中でございますけれども、新市場予定地はご覧の五街区、六街区、七街区の三つの街区からなっております。この街区間の交通でございますが、それぞれ十二ヘクタール以上ございます街区間の交通につきましては、左のほうでございますが、六街区、七街区につきましては、道路を高架化いたしまして通行を可能としております。また、五街区、七街区につきましては、アンダーパスをつくりまして各街区の円滑な通行を確保することを考えてございます。合計しまして、市場の施設用地は約三十七・五ヘクタールでございます。予定地にはご覧のように、左の枠から環状二号線、それから晴海通り、中央の補助三一五号線、それから公共交通機関としてゆりかもめの駅が中央のところと左の脇につくられる予定になってございます。
第二の新市場の取扱規模でございますが、集荷販売力の強化、集散機能などの取扱量の増加要素、あるいは逆に市場外流通の拡大、小売業態の変化などの減少要素など、様々な流通上の要因を考慮いたしました結果、現在の築地市場の取扱量をやや上回る水準で設定することにいたしております。また、取扱量水準につきましては今後さらに変化する可能性もございますし、また施設規模の算定の基礎となる全体の物流量につきましては、仲卸業者の直荷引きですとか、他市場向けの集散品等を加えて設定したいと思っております。四ページをお開きください。三のゾーニング・部門構成の考え方でございます。先ほどの五街区、六街区、七街区へのゾーニングでございます。ゾーニングにつきましては、市場本来の流通ゾーン、それから水と緑を活かした景観ゾーン、それから都民・消費者に開かれた千客万来ゾーン、にぎわいゾーンを考えてございます。なお、流通ゾーンとして水産・青果・関連部門などの部門構成につきましては、基本計画の策定時に具体化を図ってまいります。
四の流通の変化に対応する市場づくりでございます。流通システムの効率化としまして、卸売場、仲卸売場、搬入バース等を一体的に整備する形で考えております。また、情報インフラの整備については、市場コストの削減、業者の方のマーケティング力の強化、あるいは都民・消費者の方に対する食文化等の情報提供など、市場機能の高度化を図るため、情報インフラを整備してまいります。また、桟橋の設置でございますけれども、モーダルシフトの推進によりまして、トラック輸送の抑制、集荷の広域化など、将来の輸送条件の変化に対応するため桟橋を設置したいと考えてございます。次の五ページでございます。衛生対策の充実につきましては、衛生管理基準に適合した施設構造とするなど、衛生管理の充実を図り、食品の安全性に対する消費者や買出人の信頼に応えてまいりたいと思っております。卸売業者、仲卸業者とのあり方につきましては、その活性化を図るため、物流業務の二十四時間化、休日配送などの具体策について今後の計画において決定したいと考えてございます。また、仲卸業者等の加工機能のあり方、卸売場、仲卸売場の規模につきましても、今後の計画で決定させていただきます。整備手法の多様化により、冷蔵庫、加工施設等につきましては、民活型の土地利用システムを活用して整備していくなど、多様な民活手法の導入を図っていきたいと考えております。施設利用形態の多様化と使用料のあり方につきましては、施設の有効利用の方法ですとか、使用料体系の見直しなどにつきまして、具体的に検討し決定したいというふうに考えております。
五項目の環境に配慮した市場づくりでございます。市場関係車両の削減と排気ガス・騒音対策につきましては、先ほど桟橋等の活用によるモーダルシフト、共同輸送の推進、それから自動搬送機などの活用を図って実現してまいります。省資源・省エネルギー対策につきましては、不燃物のリサイクル化、ごみの発生抑制などの廃棄物対策などを同時に講じていきたいと思っております。太陽光発電、海水の利用なども考えていきたいと思っております。また、地域環境に配慮した市場づくりでは、東京の海の玄関にふさわしい良好な景観を形成するよう屋上緑化、建物デザインに配慮するなどしてまいります。
六ページをお開きください。千客万来ゾーンの市場づくりでございます。中小小売店舗に対する支援、協力などのリテール・サポートの仕組みづくり、情報発信機能の充実や、アンテナショップ等を検討しまして、買出人、生産者、流通業者でにぎわう市場づくりを行ってまいります。また、周辺地区の業務商業施設と提携を図りまして、にぎわいと親しみのある都民や地域住民等に開かれた地域に貢献する市場といたしたいと思っております。 下の第四章の建設予定スケジュールでございますけれども、今年度より基本計画に着手いたしまして開場を平成二十四年度から二十八年度の間で予定をいたしております。
以上、雑駁ではございますけれども、説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

高橋会長
以上で説明が終わりました。どうもありがとうございました。事務局から豊洲新市場基本構想についての報告があったわけでございます。
それでは、何かこれについてご意見、ご質問のある方はお願いをいたしたいと思います。どうぞ、矢田委員。

矢田委員
中央区長の矢田美英でございます。
ただいま豊洲新市場基本構想についてご説明がございました。私、この審議会の席上で都が進めている築地市場の豊洲移転計画に対しまして、これまでも種々の問題を提起してまいりました。その基本的な考え方は現在地の高い交通利便性こそ、都民の台所にふさわしい立地であると。この築地から離れて市場を整備するということが、本当にこの都民の安定的な食生活を支える上で大丈夫なのか、支障がないのかどうか、また食の安全性といった観点からもどうなのかということを心配して、これまで質問してきたわけでございます。ただいま新市場基本構想、説明があったわけでございますけれども、都民の台所、また首都圏三千三百万人の基幹市場としての役割が本当に果たせるのかどうか、具体性に随分欠けている面が説明でもございましたが、私が抱いてきた疑問、懸念を全く払拭できないままでございます。今日も大勢の市場関係者、また中央区議会からも大勢の同志の議員の皆様方がお見えになっているわけでございますけれども、同じような、色々な懸念、疑問があるというふうに認識しているわけでございまして、この環境下の不安というものも大きくなっているであろうというふうに思うわけでございます。
私はこれまで新市場移転に伴う七つの疑問、一年四カ月ほど前の前回もそうでしたけれども、七つの疑問につきまして質してきたわけでございます。すなわち、豊洲地区の土壌汚染です。土壌汚染問題、それから四十四ヘクタールの土地確保の問題、三番目が交通アクセスの整備、そして四番目がその財源の見通し、さらに四百店舗ほどございますけれども、現在の場外市場への対応、そして現在地の整備、移転と言っても随分、年月がかかるわけでございますから、それへの整備、また移転した後の現在地二十三ヘクタール、築地の諸課題といったものを中心にお尋ねしてきたわけでございます。
そこでまず、今最大の問題となっております豊洲地区の土壌汚染問題について質問したいと思うわけでございますが、この今の説明でも食品衛生上の良好な環境を維持するための施設構造、あるいは建物全体の温度管理など、衛生対策を充実させるのであるという考えが示されましたけれども、しかし、その前提としてやっぱり、この豊洲の敷地自体の土壌汚染が改良していなければならない、そういうふうに思うわけでございます。そういう意味におきまして、これまでの答弁にございましたような環境確保条例に基づき、環境局が東京ガスを指導しながら土壌改良に当たっているから問題ないといったこと、あるいは購入する際に確認するから心配ないということでは、この疑問はなかなか払拭できないわけでございます。そこで、現時点での進捗状況と見通しを説明していただきたいというふうに思うわけでございます。この問題につきましては、平成十三年四月十八日に開催されました第五十五回の審議会におきまして、他の委員からもご指摘がございまして、議論がございましたけれども、この土壌汚染対策は環境局の判断に任せるということではなくて、事業主体である中央卸売市場自体が責任を持ってチェックしていく機能を持つべきではないかというご指摘があったわけですけれども、そうした意味におきましても積極的な情報提供をしていただければと思うわけでございますけど、見解をお願いしたいと思います。
次に、土地確保についてであります。平成十三年七月六日の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意以降、全地権者との最終合意の締結があったのかどうか、その内容を明らかにしていただければと思います。その上で、四十四ヘクタールの土地確保の手順をご説明いただきたいと思います。
次に、交通アクセス問題でございます。豊洲地区の現在の広域交通基盤整備計画は、平成二年六月に策定されたわけでございます。巨大な市場整備を前提にしたものでは、したがってないわけでございます。一日に五万二千人の市場利用者、現在地、築地におきましては、その五万二千人の市場利用者等の出入りや一万七千台に上る自動車交通に見合った基盤整備、こういった問題に対応できるのかどうか。さらに、環状二号線の延伸につきましては、平成九年四月に改定されました整備計画では、平成二十七年度が整備目途時期である。その後の平成十二年十二月に策定された東京構想二〇〇〇におきましては、平成二十年度以降完成に前倒しされました。そして市場の移転整備のために、平成十四年九月に再改定された豊洲・晴海開発整備計画におきましては、平成二十年度から二十七年度といった幅を持たせた、あいまいな表現に逆戻りしているわけでございます。そういう意味で、この卸売市場整備計画との関連において、それぞれの計画がどのように整合がとれているのかどうか、これがわからない状態でございます。さらに、都の財政です。一段と厳しくなっている中で、財源確保、この交通アクセスを整備する上での財源確保の見通しはどうなのか、こういった点につきまして、ご答弁いただきたいというふうに思います。
次に、築地の場外市場やあるいは場内の業者への対応の問題でございます。長引く不況の中で皆様方本当に厳しい経営を強いられているわけでございまして、そういう意味におきまして、この移転整備に際して希望すれば、場外の皆様方は移転場所が確保されるのか、また新市場での負担はどうなのかなど、様々な先行きの見えないことが多いわけで、一層不安が高まっておりますけれども、こういった点はどうなのか考えをお知らせいただきたいというふうに思うわけでございます。
また、場内の仲卸を始めとした市場事業者です。先ほどもございましたけれども、市場整備手法は多様化など検討されているということでございますけれども、この負担増があるのかどうか、こういった点はどうなのかという点で、この理解を求め、合意形成を図って行くんでしょうけれども、その点、考えが今ございましたら、答弁願いたいというふうに思います。
それから次に、現在の築地市場の整備について、新しい市場につきましては、当然整備中心に進められるわけですけれども、それが今説明されましたけれども、その一方で現在地の問題があまりにも軽んじられているのではないかなというふうに危惧するわけでございまして、衛生対策、もちろん新市場は行うということでございますけれども、これは現市場におきましても、当然同じでなければならないわけでございまして、基本的に同等の対応が必要であるというふうに考えられますけれども、そうした衛生対策は大丈夫なのかどうか。
それから、災害時の食糧危機というふうになっております。築地市場におきましては、そういった面におきましても、この防災対策は欠かせないわけでございます。この前回の答弁では、必要に応じて耐震補強工事を施していく予定ですと答弁しておりますけれども、実施したのかどうか、あるいは、これから予定があるのかどうか、その点を答弁をお願いしたいというふうに思います。
それから現在地二十三ヘクタールは、豊洲への移転費用を捻出するため、原則として売却としているわけでございます。この現在地は隅田川や築地川の水辺に囲まれた親水性の高い空間でございました。しかも、江戸時代の代表的な大名庭園である特別名所、特別史跡の二重指定を受けております浜離宮恩賜庭園に隣接しておりますし、また日本一の繁華街である銀座、あるいは開発が進んでいる汐留とも大変至近な距離にございます。また、七十年近く場内市場とともに歩んできた築地という独特のまち、食文化をしっかり形成している、そういう素晴らしい、様々な意味でポテンシャルの高い土地、二十三ヘクタール、この都民の貴重な財産に対して、今後どのようなまちづくり構想をお持ちになっているのか。また、売却ということで、そうした構想は担保できるのかどうか、そういった点をお聞かせ願いたいというふうに思うわけでございます。
以上、七項目、七つの疑問に対しまして、的確なご答弁をお願いいたします。

高橋会長
よろしいですか。各項目よろしいですか。

碇山幹事
具体的には、私どもの担当部長のほうからお答えさせていただきますが、いずれにいたしましても流通構造の変化、あるいは情報化の進展ということで、卸売市場、さらには築地市場が今大きな転換期に来ているというふうに、私は強く認識してございます。言うまでもなく、築地市場でございますが、全国にあります八十六の中央卸売市場のうち、その一三%を取り扱うという基幹市場でございます。矢田委員からもお話がございましたが、首都圏三千三百万人の台所を担い、加えて日本、東京の産業を支えるという意味で、この市場を整備していかなければならないというふうに考えてございます。
お話にありました七項目につきましては、前回の審議会でも矢田委員からお話がございました。私どもでもそれ以降、精力的にこれらについての推進に努めてきたところでございます。用地の確保につきましては、十四年の七月に最終合意を行い、あるいは跡地の利用につきましても、矢田委員がおっしゃいますように、私どもとしましても、この二十三ヘクタールが都民の貴重な土地インフラであるということは強く認識してございます。十分検討し、中央区当局とまたご相談してまいりたいというふうに考えてございます。等々、七項目全般にわたりまして、この後担当の部長からご説明を申し上げますが、いずれにいたしましても、残された問題、今後とも精力的にこの問題については詰めてまいりたいということでございますので、よろしくお願い申し上げます。

高橋会長
ありがとうございました。多岐にわたっていますが、順番でいいですか。どうぞ。

井戸幹事
それでは、矢田委員の質問にお答えいたします。
まず一点目は、土壌汚染の問題でございます。基本的に土壌汚染につきましては、やはり生鮮食料品を扱う市場としましても、重大な関心を持って取り組んでいるところでございます。豊洲地区におきましては、平成十三年から東京ガスによる土壌処理が進められておりますけれども、土地区画整備事業が完了する平成十八年度末までに土壌処理も完了するというふうになってございます。東京ガスの処理内容につきましては、矢田委員の方からお話がございましたけれども、都の環境確保条例に基づくものでございまして、土地利用上の安全が確保できると考えてございます。また、市場としましても主体的に将来の土地取得者の立場から環境局並びに関係局と協議いたしまして、市場予定地の安全性確保に努めているところでございます。また、土壌汚染に関しての、いわばリスクコミュニケーションと申しますか、情報でございますけれども、これまでも東京ガスの公表した資料をもとに市場業界の方々には土壌汚染の内容、都の対策について積極的に説明をし、理解を求めてまいりました。さらに、消費者団体の方々にも土壌汚染対策を指導している都の環境局とともに説明をするなど、安心していただけるように努力してまいりました。今後とも機会をとらえまして、消費者の方、あるいは市場関係者に十分な説明を行いまして、敷地の安全性をPRしたいと思っております。二点目でございます。市場移転の地権者合意でございます。先ほど、市場長から話がございましたように、前回の審議会におきましては、十三年七月に東京ガスとの間で基本合意ができたという説明をさせていただきましたけれども、その後、東京ガスを始めとする全地権者とは平成十四年七月に市場移転に関わる最終合意が整いまして、都と全地権者が豊洲地区開発整備に関わる合意文書を調印いたしました。合意文書につきましては、居住人口との開発フレーム、街区ごとの土地利用方針、新市場の位置や面積、市場建設に当たっての地域環境への配慮事項、あるいは土地区画整備事業等に関する事項全般が盛り込まれております。これに伴いまして、今後市場としましては、東京都と江東区、あるいは地権者等で構成いたします豊洲地区の開発協議会という組織がございますので、そこに参加して市場を織り込んだまちづくりについて協議していきたいと考えております。次の土地取得についての手順でございます。四十四ヘクタールにつきましてでございますけれども、豊洲地区につきましては、先ほど申し上げましたように、現在土地区画整備事業が進行中でございます。新市場の用地につきましては、保留地、仮換地後の地権者等から取得するとなってございます。昨年七月合意ができましたので、換地先など換地時期等につきましては、土地区画整備事業の進捗に合わせて順次取得していきたいと思っております。
交通アクセスの整備でございます。市場一万五千人以上、あるいは訪れる方全体をあわせて五万人以上の方がおります。アクセス道路の整備につきましては、市場にとっても重要な課題であると認識してございます。現在、晴海通りと環状二号線の有明・豊洲間、あるいは補助三一五号線のゆりかもめ下につきましては、私もゆりかもめにおりましたけれども、着々と平成十八年度の開通に向けて建設が進んでございます。また、環状二号線の豊洲・汐留間につきましては、委員ご指摘のように、昨年九月に豊洲・晴海開発の整備計画の改定案が定まりまして、その中で二十七年度目途ではなく、二十から二十七年度ということでの整備目標を掲げてございます。これに伴いまして、現在関係局を挙げまして、工期の短縮等について検討しており、早期整備に努めてまいりたいと思っております。それから交通の問題でございます。基本的に、交通量につきましては既定の豊洲のまちづくり計画と比べまして、若干の増加が予測されております。しかし、市場のほうからの発生車両のピーク時につきましては、一般交通のピーク時と時間的に大きくずれておりますので、既定の道路計画で十分に対応できるのではないかと考えてございます。なお、交通量の詳細な調査につきましては、今後市場の計画策定に合わせて行ってまいりますけれども、先ほどのモーダルシフト、船舶輸送の増強、バス路線の新設などによりまして、市場からの発生交通量を可能な限り削減してまいりたいと思っております。
次に、場外市場への支援のことでございます。基本的に、場外市場の団体の現在の立場でございますけれども、組合員の最も多い団体につきましては、平成十四年度に築地市場の移転後も現在の場所で活性化を目指すという活動方針を決めて、築地市場の跡地利用を含めた場外市場の将来ビジョンづくり等の検討に着手してございます。また、その中で矢田委員ご指摘の移転場所の確保等でございます。豊洲移転を希望する組合員の方もいらっしゃいます。そうした方々は移転条件等についての研究会を組織して、都との話し合い等について、意見交換を求めているところでございます。都としましては、これまでにも場外諸団体への説明など意見交換を行ってまいりましたけれども、場外の方々のビジョンづくりとか移転の意見の集約の状況に応じまして、今後とも適切に対応してまいりたいと考えてございます。次に、跡地利用計画についての考え方でございます。基本的には新市場へ移転して、新しい市場を整備するために跡地につきましては、売却処分等がやはり必要だと考えております。しかしながら、築地市場の跡地につきまして、委員ご指摘のとおり、ウォーターフロントの活用など都心に残された貴重な再開発用地でございます。跡地利用のあり方につきましては、地域のまちづくりだけではございませんで、東京全体のまちづくりにとっても重要であると認識してございます。このため、跡地利用につきましては、中央区や関係機関と十分協議をしながら、慎重に全庁を挙げて検討してまいりたいと考えております。次に、最後になりますけれども、移転までの間の築地市場の整備の話でございます。ご指摘のように、市場の移転までには早くて平成二十四年度ですから、約十年程度を要しております。やはり移転までの間、築地市場が引き続き首都圏の基幹市場として役割を損なわないよう、やはり衛生対策及び耐震対策に必要な整備を行いたいと考えております。この点も、平成十三年の七月に市場業界との間で協議を行いまして、整備期間を三カ月といたします築地市場の暫定の整備計画をつくりまして、整備に着手しております。これまでにも塩干品等の卸売場の集約、低温化、温度管理を図ってまいりました。まぐろ卸売場の低温化等の衛生対策も講じてございます。また、耐震対策、老朽化対策につきましても引き続き講じてまいりたいと考えております。
それから、最後になりますが、使用料の負担につきましては、この新市場建設の構想の中にございますけれども、実際のゾーン配置に基づきまして施設の規模及び内容、あるいはどれだけ民間活力を活用するのか、という枠組みが決まりまして、それを踏まえまして、市場の方々と色々な検討をして使用料のあり方について検討してまいりたいと思っております。以上でございます。

高橋会長
ありがとうございました。矢田委員、どうですか。

矢田委員
ご答弁、それぞれありがとうございました。
ただいまご答弁いただきましたけれども、前回の一年四カ月ほど前の審議会と比べると、一年四カ月経っておりますが、豊洲地区の用地確保は前回よりも明確になってきておりますけれども、そのほかの点については、まだまだ不明瞭な点が、明らかでない点が多いかと思うわけでございます。特に国の卸売市場整備基本方針におきましても、市場整備の際の立地につきましては道路整備計画との整合性が確保されていなければならない、あるいは、この交通事情が良好な場所であること、あるいは衛生上、適切な地域環境であること、こういうことが定められているわけでございます。従って、特にこの土壌汚染は、やはり消費者、都民三千三百万人の皆様方、首都圏の皆様方に不安を抱かせないように、適切に処理していかなければならないのではないかなと。慎重の上にも慎重にいかなければならない。食の安全性が今、本当に言われているわけですから、そういう意味でしっかりした対応。どうなんですか、これは市場自体がやるべきであるという、主体的にやるべきであるという声が、この審議会でも出ているわけですから、そういう観点で対応していただきたいなというように要望するわけでございます。
また、交通アクセスは大丈夫だと言われますけれども、若干の増加が見込まれる程度であるというご答弁がございましたけれども、そうではないんじゃないですか。随分こちらから移るんですから、平成二年につくった道路整備計画ではこれはもう不十分であろう。だって移転前の、移転の話がないときの話なんですから。そういう面におきましても、この適切な調査を行って対応していただきたいと思うところでございます。
それから、現市場の整備です。衛生対策、低温化ですか。やっておられるということでございます。ただ、この防災の面はまだ行っていないようでございますが、必要ならば講じてまいりたいという、前回と同じような答弁ですけれども、これはもう本当に関東大震災から八十年ということで、いつ大きな地震が来ても不思議ではないと言われているわけですから、大丈夫なのかという防災上の面も適切に対応していただきたいというふうに思うわけでございます。
他の点も多々ございますけれども、時間の都合もございますし、また、他の委員の皆様方も発言がございますでしょうから、東京都、皆様方の誠意ある対応を期待いたしまして、私の質問を終えたいと思います。

高橋会長
ありがとうございました。どうぞ、三原先生。

三原委員
今回から委員ですので、新参者が誠に恐縮ですけれども、ちょっと事前に資料を読ませていただきましたので、四点についてお尋ねをしたいと思います。新しい時代に入りまして、色々な経済情勢、あるいは経済体制、社会機構それぞれ変わってきておりますから、そういう流れの中で豊洲に新市場をつくろうという構想が出てくることについて、私は理解をいたしております。もちろん、中央区長のお立場も十分わかりますし、そういうことを踏まえながら、資料を読ませていただいた、ちょっと客観的な立場で四点お尋ねしますので、すみません、四項目それぞれ言いますから、それぞれ答えてください。
まず、この基本構想を読ませていただきまして、その柱となっているものはどういうお考えなのかなと。もちろん、この要約だけでは十分わかりませんし、構想自体も長文ですから、私の読み方が悪いのかもわかりませんけれども、時代の流れというか、社会の変革というか、そのような中で流通の変化に合わせた市場をつくるとか、新しい時代に合う市場機能を備えるとかそのようなことが書いてありますけれども、どうも基本の柱となっているものがどのようなものなのか、その大前提になる一つが新市場での取扱量をどれぐらいに見込んで、いろんな構想を立てておられるかなというのが、私はよく読み取れなかったのです。中で出てきますのが、築地は面積で言うと二十三ヘクタールですか、それに対して今度は三十七・五ヘクタールというから一・五倍ぐらいになる。築地の取扱量は魚が二千三百トン、青物が一千五百トン、これは一日の取扱量として出てきていますけれども、そういうことを考えると、新市場ではどれぐらいの取扱量をきちっと頭に描いて基本構想を考えておられるのかなというのが十分読めませんので、どういうことを基本の柱にしておられるかという中の一つとして、そういった扱い量、さらには今、五万二千人のお話も出ていましたけれども、そういうことも含めて、まず第一に教えていただきたい。

井戸幹事
三原委員の質問にお答えいたします。
新市場の取扱量でございます。この本文の十ページを、恐縮でございますが、お開き願います。十ページに現在の築地市場の取扱量がございます。先生、ご指摘のように、上が水産でございまして、下が青果になっております。現在のところ、年間のトン数でございますけれども、大体平成八年度ぐらいから下げ止まっておりまして、平成十四年につきましては少し跳ね上がっているというようなこともございますけれども、大体下げ止まって安定的な水準で推移しております。その中でも特徴的なのは、塩干の、干し物の加工関係、あるいは冷凍魚が減っておりまして、生鮮魚につきましてはあまり変わりがないというような状況でございます。それが水産の状況でございます。また青果につきましても、果物、野菜が下でございますけれども、大体平成八年度以降、横ばいでの状況が続いております。少し果物のほうが変化が激しいというふうには考えてございますけれども、ただ平成八年度以降は横ばいで推移しているということでございます。こうした傾向を考えまして、先生ご指摘のように、確かに面積で言いますと、一・数倍の面積になりますので、そのときにどれだけの取扱量を目指すのかということを、かなり市場業界との間で議論しました。ただ当然、取扱量の増加要素、例えば出荷地のほうにアンケートをとりますと、今後とも引き続いて築地市場のほうに出荷したいというようなところもかなりあります。同様な量でやりたいというところもございます。それが約八割ぐらい占めております。ですから、新市場の取扱量については一定程度確保できると思っております。ただ、逆に市場外流通等も拡大しております。IT化が進んだにしましても、どれだけ生鮮関係の食品がそこで賄えるかというと、少し微妙な部分がございまして、難しい部分がございますけれども、ただそれにしてもやはり取扱量の減少要素についてもやはり考えなければいけないだろうと思っておりまして、その中でかんかんがくがくの議論の上、市場業界、東京都の市場当局との協議の中で、現在の築地市場の水準をやはり少し上回る程度の水準で、今回はこの基本構想の中では設定させていただいて、もう少し状況を基本計画の中で厳しくチェックしようという結論になりました。以上でございます。

高橋会長
どうぞ、三原委員。

三原委員
今数量的なことはわかりましたから、これはもうちょっと基本計画の中ででてくると思いますので、かなりよく煮詰めていただきたいなと思います。二番目に、この基本構想の中で危機管理のような部分がでてまいりますけれども、もうちょっとしっかり柱に据えておいてもらいたいなと思いました。それは、一つは食品衛生に関する基本的な姿勢はもちろんでておりますけれども、今も大変妙な病がはやっているようですし、特に輸入物に対する汚染対策というようなものを、どのようにきちっと市場としてやり切れるか。船や飛行機で着いた時点で押さえるのか、市場の中で押さえるのか、かなりそれはもう真剣に対応していかないといけないと思います。そういう危機管理。
それからもう一つは、お話にもでてまいりましたけれども、大災害の場合の市場の危機管理もありますし、首都圏全体というか、東京全体に対する食料の供給という意味での危機管理、こういったものを新市場の中でどのようにきちっととらえておくかというのは、これから極めて重要だと思いますが、二、三行書いてはありますけれども、もう少し詳しくお考えを聞かせてください。

井戸幹事
市場の危機管理の点のご質問でございます。数年前には茨城県の東海村の放射能漏れ汚染事故がございました。また、近くはBSE、あるいは食品の表示の問題等、色々問題になっております。市場としましても、食の安全、安心に関しましては、一番重要な課題と認識してございます。そうした観点から、先日全国でも初めての市場の危機管理マニュアルを策定いたしまして、公表してございます。これにつきましては、三原則を掲げてございます。人の健康を損なうおそれのある食品は受け入れない、出さない。食品事故の被害の拡大防止のため、危機情報は迅速に公開する。生鮮食料品の安定供給を図るため、市場機能を維持することを原則とするという三原則を設けまして、色々な事態に対し、予防的にできること、日常的な管理で予防的にできることの、予防的な危機管理の考え方。あるいは、リスクを回避するような情報を早く入手しまして、リスクを回避するような方法もあるだろうということで、リスク回避型の危機管理。それから、東海村の放射能漏れ汚染事故、またはSARSのように緊急に事態が起こる場合もあります。事態が起きたときに、どう対応するかの事態対応型の危機管理型についても、きめ細かくマニュアルをつくらさせていただきまして、今そのマニュアルに基づいて徹底したいと思っております。
また、新市場では、これを一層徹底するために、築地市場の場合ですと、少し衛生面では弱い部分がございますので、取扱品目ごとに最適な温度帯で流通を確保できる施設、あるいは衛生基準に基づいた店舗構造とするようなことを考えております。
また、委員ご指摘のように、輸入品でございますけれども、これにつきましては衛生検査所がございますので、連携いたしまして水際で検査監視を強化いたしまして、食品の流通前に予防体制を充実したいと考えてございます。
以上でございます。

高橋会長
どうぞ、三原委員。

三原委員
貴重な時間すみません。あと二点あります。
今のお話の危機管理の、特に食品衛生は、今朝も私は足立の魚市場をちょっとのぞいてきましたけれど、やはり江戸時代からやり方は変わってないわけで、板の上に並べるといった感じですから、かなり新市場では基本計画できちっとしたものを出してもらいたいと思います。
次に、千客万来の市場づくりという市場政策を今回出されていまして、私は新しい発想かなと理解しておりますけれども、この中ではっきりうたってないのは、仲卸売場を都民に開放して自由に買っていただくようにするのかどうか。現時点ではいけないことになっているはずですけれども、それを一般消費者に開放するというようなことを実際にやるのかどうか。併せて小売業への支援体制というのを、どのように行う構想なのか。そこの二点を教えてください。

井戸幹事
千客万来の市場づくりについてのご質問でございます。一点目につきましては、仲卸売場の販売の方法についてでございます。基本的に、現在原則としまして、仲卸売場につきましては業者の方が入られて、商売をやっているということでございます。ただ、これにつきましては、新市場全体として、そのような千客万来の市場をどうつくるか、あるいは都民または地域住民ですとか、来訪者に開かれた市場をどのようにつくるか、そういった構成を考える中で、仲卸売場について、販売の方法について検討していきたいと思っております。
例えば、全面的に都民あるいは消費者へ開放する場合もあるでしょうし、また特定の日時、あるいは入場登録した方に限定して開放するような場合もあると思いますけれど、いろいろ全体の構成をどうするかということの中で、仲卸売場における都民への販売について、検討してもらいたいと思っております。
あと、二点目の小売業の支援体制でございますけれども、やはり実は小売業の方ですとか、あるいは買出人の方が求めているのは、アンケートなどでもわかりますが、生鮮食料品に対しての商品の情報、あるいは産地の情報を一番求めておりまして、小売業の方はそれを多分いわゆる一般消費者の方へ提供したいということで求めていると思っております。そうした観点から、これは新市場全体の情報化をどう進めていくか、それをどのように買出人の方、小売業の方に伝達していって、それが消費者の方につながるというような仕組みづくりが重要だと思っております。それを活用したことが商品情報の提供、あるいは魅力ある店舗づくり等につながっていくものと思っておりまして、これにつきましても引き続き基本計画の中で、市場業界と話し合いながら検討していきたいと思っております。

高橋会長
はい、どうぞ。

三原委員
では最後に、碇山市場長に伺いたいと思いますけれども、この基本構想を読ませていただいて新しい市場をつくるということに大変な意気込みを理事者側がお持ちだということ、よくわかります。それを大前提として、新しい市場をつくるということの意気込みは一つ大切なことでございますが、中央区長もおっしゃったように、跡地をどうするかということが大きなもう一つの問題。
もう一つは、私は隣接の既存市場をどう考えていくかということが、実は大きな柱の一つになるんだと思うのです。従って、魚で言えば、足立市場なんかは、もし豊洲に移って一・五倍の面積の中で最新設備で豊洲市場が開業すれば、現在の足立市場の魚市場は、ほぼ私は営業できなくなってしまうのではないか、素人ながらそう思います。それぐらい影響が周囲にある、とすれば、葛西の青果市場、北足立の青果市場、あるいは大田の青果、魚までも影響するのではないかとこう思いますから、ただ単に豊洲に新市場をつくるということについて、大変な熱意はよくわかります。従って、跡地の問題、築地の問題も大変重要です。もう一つ隣接の市場に対して、どう対応するべきかということを、この基本構想の中にそれが必要なのか、基本計画の中に必要なのか議論はあると思いますけれど、開場がおおむね十五年後というと、私なんかはもう全くこういう席にいないことは明確でございますから、後世、そらみろ、あのときの審議会委員がろくなことを考えないから、今日こうなったじゃないかと、足立市場や北足立市場の皆さんからお叱りを受けるのが目に見えるような気がしますから、これは十分審議会でも審議していただき、理事者側でも十分ご検討いただいて新市場へかける意気込みと、それから跡地の処理と、そして周辺市場への影響の三点を十分にバランスをとって、方針を定めてもらいたいと思いますが、そういうことも含めて市場長のご所見を伺いたいと思います。

碇山幹事
新市場にかける意気込みと周辺市場への影響ということになるかと思います。現在の築地市場のポジションをまず少しご説明させていただきたいと思いますが、全国の卸売市場の取扱高は、大体九兆五千億円ぐらいございます。これは正確には難しいですけれども、卸売業が仲卸以下の業に売り渡す売渡価格としての価格です。静態的な金額です。ですから、GDPベースで言えば、もっと大きな経済波及効果はあるんですが、九兆五千億円と。そのうち、中央卸売市場が大体五兆四千億円、地方卸売市場が四兆三千億円ぐらいのベースになっているかと思います。中央卸売市場が全国で八十六カ所ありまして、八十六カ所のうちの八十六分の一が築地市場でございますが、この築地市場が大体一三%ぐらいの取扱をやっているという、やはり基幹市場、巨大市場になるわけでございます。
いずれにしましても、この築地市場を、あるいは、この市場システムそのものが時代の風に適った市場として、先ほど冒頭、私もごあいさつで申し上げましたが、いろいろな時代背景、ニーズがあります。それに適った形で再生していくということが、今何よりも必要ではないかと思っております。そういう意味では、東京から卸売市場を変えていくということが今一番必要かなというように考えてございます。
併せまして、後段のご質問でございますが、この豊洲の新市場の構築によりまして、東京市場に大きな影響、どんな影響があるのかということについては、今後やはり十分見極めていく必要があるというように考えてございます。第七次卸売市場整備計画の際にも、当審議会からご答申いただいた際でも、流通効率、流通効率化の観点から市場間の連携や再編・統合について検討すべきであるというご答申、ご意見をいただいております。また、先般の東京都議会経済・港湾委員会でも、やはり同じ趣旨のご質問がありました。今後私どもといたしましても、豊洲の新市場の開設に向けまして、これらの変化を十分見極めまして、あるいは東京市場全体の影響を考えまして、市場間の連携や再編統合というものについても市場業界と協議して検討を進めていく必要があると、かように考えております。

高橋会長
よろしいですか。どうぞ。

石井委員
先ほど矢田区長から、豊洲市場移転に関連して、様々な質問がありました。これまでの議論の経過の中で、豊洲にこの築地市場が移転するのはやむを得ないと思います。しかしながら、きょう中央区の皆さん大勢お見えいただいているということでありますが、場外業者の方々を始め、この築地市場で今日まで生活をしてきた方がいらっしゃるし、これからも生活をしていくという方々が、継続してきちんと事業ができるように、様々な配慮をしていただきたいと要望しておきます。第一点。
第二点は、この豊洲は新市場をつくるためにできた島ではなくて、これはごみを埋め立てて、そして土砂を入れて、ごみを入れて土砂を入れてと、そういう経過の中でできた島ですから、いざ有事の際は明らかに液状化現象が起こることは間違いないと思います。八年前のあの阪神大震災の際に、あの六甲山の土砂を埋めてつくった六甲アイランドのポートアイランドも大変な液状化が起こった。ましてやこのごみで埋め立てた島でありますから、その液状化対策をしっかりやるべきだということを申し上げておきたいと思います。
今、三原先生もお話がありましたけれども、私も近隣の市場に対する影響ということを十分考えるべきだと思います。この臨海部には築地市場を挟んで、大田市場、私は墨田区なんですけれども、葛西市場がありまして、葛西市場も小松川とか両国とか様々な小さな市場を統合して東京都の方針でつくられた。特に、この葛西の青果、花きなんですけれども、葛西市場は墨田、江東、江戸川、葛飾、大体四区、墨田区は築地に行っている方もいらっしゃいますけれども、四区で葛西市場をつくっているわけです。この築地が豊洲のほうにさらに東に移るわけですから、そこでかなり新しい機能を兼ね備えた市場ができ上がりますと、まず葛西市場はだめになってしまうのではないかと、私は思うわけです。この十五、六年間で葛西市場のこの青果の、八百屋さんが、約七百五十軒ありましたけれども、今では五百軒割ってしまっている、四百七、八十軒になっている。それから卸売業者二社、墨田青果、江東青果、倒産してしまった。これは八百屋さんが大型店やスーパーにどんどんどんどん肩がわりされてしまって、それから産地直送ということもあって、八百屋さんの経営が成り立たない。これはもう現状です。そういう中で、また今度、築地市場が東のほうに移転してきて、そこで今度は直接、都民の皆さんにも販売するというようなことになりますと、葛西市場は成り立たないのではないでしょうか。ですから、葛西市場の商組は東京都から事務所として床を借りているんです。だけど、その床の賃料を払えないものだから、三分の一を返上して、三分の一はもうがらがらになってしまっているというのが、実は現状なんです。だから、そういう隣接する市場、特に八百屋さん、八百屋さんが元気でないと、問屋は元気になりませんので、そういう小売業の方々に対して、やはりしっかりとした対策、対応をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。

高橋会長
井戸幹事、どうぞ。

井戸幹事
石井委員のほうから三点お話がございました。まず、市場業界、築地業界につきまして、市場内、あるいは場外も含めて、基本的にこれらの方々が築地市場を支えてきたのだから、それについてどのような生活になるのかきちんと対応してほしいというご質問がございました。新しい市場を建設する計画の中で、あるいは今後、その場外市場の方々につきましても移転を希望する方ですとか、あるいは残られる方も含めて、今までも意見交換を十分に行わせていただきましたけれども、引き続きまして適切に対応してまいりたいと思っております。
また、液状化につきましては、この臨海部全体の問題もございますけれども、きちんとそういったことが起きないように、建設に当たりましては配慮していきたいと思っております。
三点目でございます。近隣の市場につきましては、特に卸売市場全体が市場外流通の関係で、かなり競争力が弱まっております。個々の市場にとっても、あるいは大きな大田、築地にとっても横ばいですとか、あるいは落ちているところもございます。やはり卸売市場全体の活性化を図るという視点がないと、どうしようもないと思っております。新市場につきましても十年後以降でございますので、その間当然市場全体を活力、活性化するような方策を考えながらやっていく必要がありますし、また新市場の建設に合わせて、先ほど市場長が答弁申し上げましたように、各市場の位置づけですとか、取引の許可の方ですとかを合わせて考えてまいりたいと思っております。

高橋会長
よろしいですか。少し待ってください。どうぞ。

川島委員
ただいま矢田区長を始め、三原委員のお話で、私どもの消費者団体としての疑問点などは、ほとんど網羅されているという感じがいたしました。ただ、ここでどうしても申し上げておきたいのは、食の安全についてでございますけれども、大変ここ二、三年、食に対する様々な不祥事がでてまいりまして、農薬汚染とか、それから不当表示とか、この中央卸売市場には築地には関係ないけどBSEとか、様々な問題がでてきまして、消費者が大変に食に対して関心を持っている、それから不安を持っているということを、ぜひともご承知おきいただきたいわけです。そのためには、どうしても豊洲の先ほどもでましたけれども、東京ガスの跡地でございますので、まして今伺ったら、ごみの埋め立て、その上に東京ガスが営業をしていたということもありますので、やはり土壌汚染の徹底的な改良ということは、もう本当に第一義にしてやっていただきたいということです。
それとやはり、周辺海域の海水などの調査もやはりきちんとしていただきたいと思います。そういうことをいたしませんと、やはり東京湾の江戸前のお魚というと、ちょっとみんな不信感を持っているというような感じがございますので、やはりそのあたりも配慮をして建設をしていただきたいと思っております。
もう一つちょっと心配なのは、少子化の影響によりまして、東京都の人口も嫌でも十五年、二十年しますと、沈静化から減少に移るのではないかということが言われております。それと、あとスーパーその他のあれで、直接流通というようなことで、卸売市場を通らないというような問題も起きますと、立派な卸売市場を立派過ぎるほどにつくっても、それがあまり機能しない、使われないということになってしまっては、大変これは税金のむだ遣いになる。そのあたりも十分配慮して、様々な事情、経済的な流通の面でも対応できるような形に初めから考えてつくっていっていただきたいというふうに思うわけでございます。ともかくまだ十五年も築地市場を使うわけですから、私などはもう築地市場のお世話になって、それでもうおしまいになると思いまして、新しい市場まではちょっともうあれですけど、大変夢のある市場でよろしゅうございますけれども、築地市場もきちんと大事に様々な不祥事が起きませんように、よろしくご整備のほどお願いしたいと思います。これは、ぜひともお願いして発言を終わります。

高橋会長
お答えになりますか。はい、どうぞ。

井戸幹事
川島委員のほうから三点ありましたので、少し。
先ほども申し上げましたように、食の安全、安心につきましてはやはり市場の至上命題でございますので、徹底的に強化して、こういったことが起こらないように、市場全体としても取り組んでまいりたいと思っております。また、土壌汚染につきましても、先ほどお話ししましたけれども、安心して移転できるような形の中で考えてまいりたいと思っております。
また、少子化の問題につきましては、先生ご指摘のように、あまり過大な施設とならないように、やはりフレキシブルなものというのを目指したいと思っております。
あと、先ほどごみのお話でございますけれども、この豊洲地区につきましては、鉄鋼埠頭とか、東京ガスのほうで、いわゆる浚渫土砂を埋め立てたということで、主にごみではなくて多分、浚渫土砂を埋め立てたと認識しております。
三点目の築地市場、当然、十年以上使うわけでございますので、これにつきましてもいい市場で安心して、引き続き業者の方々が利用できるような形の中で適切に管理して運営してまいりたいと思っております。

高橋会長
渡辺先生。

林委員
私、先にやります。要望だけでいいですから。
私もちょっと座ったままで恐縮ですけれども、先ほどの矢田区長だとか三原さん、川島さんがお話したので、やはり私もほとんど意を尽くしているんですが、やはりきれいな言葉だとか、耳障りのいい文言が並んでいますけれども、ほんとに現実的に大丈夫なのかなというのが、どうしても拭い去れないんです。そう意味ではもう少し具体的にそれぞれの項目を、具体的にこの次の基本計画では示してもらえるのだろうと思うんですけれども、ぜひ、その点は現実を踏まえた形で具体的に提示してほしいということを要望したいというふうに思います。
それと、三原さんがおっしゃっていた仲卸売場の開放なんかも、今現実に築地市場があるわけですから、私も業者の何人かの人に聞きますと、消費者にも開放するような日があってもいいのではないかとか、それから休市はちょうどおそらくバブルのころに今の休市の制度を、平日休むというのを、決めたと思うんです。今はもう、売れないから要らないと言うんです。少しでも使用料払っているわけだし、その店舗として十分活用したいという、僕が聞いた中では、そういう業者が非常に多いというように思います。ですから、新市場で千客万来と言っているんだったら、今の市場をもうなんとか千客万来の方策を実験的にでもいいですから、ぜひやってほしいということを要望させていただきます。
それと、中央防波堤の内側にこの間、風力発電が二基稼動し始めました。たしか二百五十万キロワットかな、ちょっと数字わかりませんけれども、普通の世帯では八百世帯ぐらい賄える。基本的には東京電力に売ってしまうわけですけれども、近いわけですから、その電力を東京電力にマージンを稼がせないで、豊洲の市場で使うとかいうことも、ぜひ考えてほしい。あるいは、豊洲に風力発電をつくるとか、そのようなことも頭の隅にでも入れていただけたらなというふうに思います。
先ほどの土壌汚染にしても、年がら年中話が出るんです。僕ら素人からすれば、何でそんなところに移るのというのが基本的にありますから、やはりその辺も、もう決定していますけれども、そういう今でも誤解が全くとれないような、一年数カ月たっても、先ほど区長がおっしゃったように進展がない、内容があまり明らかにされてないというような現実がありますので、ぜひその辺も配慮していただきたい。時間の関係もありますので、答弁はいいです。

高橋会長
では、お待たせしました。渡辺先生。

渡辺委員
意見は最後にちょっと申し上げさせていただいて、質問だけちょっと三点ばかりお願いしたいんです。
一つは、毎度のことですけど、やはり移転反対者との合意です。これをできるような取り組みについて、いつも今後粘り強く協議していきたいという話があるわけですけれども、現実にこれがいまだにやはり解決されていないという問題があるわけなんですが、どういう取り組みをしているのかということを、ひとつ再度お聞きしたい。前回からの取り組みです。
それからもう一つは、今度の新しい中で、これは一ページになりますけど、この卸売市場が目指すべき方向ということがあります。ここでは卸売市場を支えてきた仕組みを見直すという問題、そして競争原理の一層の導入、こういうものもありますし、それから適正な受益者負担に基づく計画的、効率的な施設整備となっているのですが、そこでちょっとお聞きしたいのは、これまでの卸売市場を支えてきた仕組みを見直すというのは、どのようなことなのか。それからもう一つは、適正な受益者負担に基づく計画的、効率的な施設整備、あるいは運営という問題については、どのようなものなのか。
それからもう一つは、これは概略で結構ですが、この豊洲移転にかかる事業費です。
新しくつくられる豊洲に移される市場、大体建設費がどれぐらい、おおまかに言って、概略かかるのか、それをお聞きしたい。以上です。

高橋会長
井戸幹事、どうぞ。

井戸幹事
私のほうから市場業界についての、いわゆる新市場移転について反対されている方との合意についての取り組み状況と、それから受益者負担に基づく観点などについて述べさせていただきます。
まず、市場業界との協議でございますけれども、もちろんご承知のように、平成十一年の十一月に築地市場の再整備推進協議会におきまして、意見集約した時点では八団体中、移転に反対する団体が二団体でございました。仲卸の組合、あるいは買出人団体の連合会でございました。その後平成十三年の三月に、買出人団体の連合会が賛成へと方向転換いたしました。現在、まだ水産関係の仲卸の組合だけが反対の機関決定をしたままとなっております。しかしながら、同組合につきましては、現在先ほど申し上げました新市場の建設協議会のような都と業界との基本構想の協議機関に委員を派遣していただきまして、協議に応じていただいております。また、今年の三月にその組合の中に全理事が参加するような新市場の対策特別委員会を設置し、基本構想についての検討を進めていると伺っております。同組合につきましては、反対の声もまだ残っているようでございますけれども、今後とも、これらの方々につきましては、市場移転についての理解と協力が得られるよう進めてまいりたいと思っております。
それから受益者負担に基づく計画的、効率的な整備の観点でございます。実は、先日、大田市場に定期借地権に基づきます施設整備を初めて導入いたしました。基本的には、市場業界、あるいは流通関係の変化が急でございますので、何年もこれから何十年もかかっていたのでは時代の流れに取り残されてしまいますので、弾力的に整備できるような枠組みとして、こうしたような定期借地権の活用等につきまして導入させていただきました。こうした観点から、やはり新たな市場におきましても、業界の方々にも喜ばれているような民間活力の導入の方法について検討してまいりたいと思っております。
以上でございます。

高橋会長
どうぞ。

高津幹事
移転の質問で、これまでの取り組みといいますか、市場の関係の仕組みをどう見直すかという点についてお答えいたしたいと思います。
ご存じのように、市場取引に関わる規制というものは法によって色々決められております。これが全国一律に画一的な規制になっているわけでございまして、それを地域や各市場の実情に応じた取扱にすべきではないかというのが基本的な姿勢でございます。それで、そういった規制の中で、そういう規制があるために、様々な先程来、でております流通環境の変化への対応が遅れてしまうとか、あるいは、市場業者さんの経営が悪化するとか、色々な状況の変化に対応しきれないという面がございますので、その辺を規制緩和という形で見直していただきたいということで、今、全国の中央卸売市場の協会といたしましても、国に対して提言しているという状況でございます。以上でございます。

高橋会長
どうぞ。

井戸幹事
すみません、答弁漏れございまして、事業費でございます。建設費につきましては、その前提となります施設規模とか内容がまだ明らかになっておりませんので、今後策定する基本計画の中で検討していくことになると思っております。また、用地費につきましても、現在当該土地において区画整理事業が進行中でございますので、その中で土地の枠組みが明らかになっていかなければ固まらないと考えておりまして、まだ明確にはお答えできない状況でございます。

高橋会長
土屋委員、どうぞ。

土屋委員
二点ほど要望を申し上げておきたいと存じますが、私は中央卸売市場審議会の委員になって十七、八年経つんですけれども、これはえらい時間がかかります。もちろん、築地ではいろいろ長い何百年の江戸以来の伝統と、それから大勢の人が関係しておられるわけですから、これはソフトに時間がかかるのはしょうが無い。しかし、一旦方向を決めたならば、いろいろ粗粗の日程がここに書いてありますけれども、かなり幅のある日程になっていますけれども、やはりきちっと予定どおりやらないと、行政に対する信頼みたいなものが損なわれるのではないか。と言っても、一旦決めてもずるずるやっているうちに、そのうち立ち消えになるんだとか、これは立ち消えにならないでしょう。だけど、私、当時の市場長が誰だか忘れてしまうぐらい昔から、私、審議会委員をやっているんです。だけど、そのころから話題になっていて、まだ具体的な基本構想の段階だと。非常に率直に言って、私も行政を預かる立場の人間ですけど、長い。これからは、なかなか合意をとったりすることは難しいわけですが、方向が見えたらどんどんやってほしいと、こう考えます。これ、要望しておきます。
それから、それに関連するのですが、あまり長くやっていると時代の変化がどんどん変わってしまうんです。私、何でこの中央卸売市場の審議会の委員に市長会から出されたかというと、当時は三多摩に中央卸売市場を調布基地あたりの跡地にどんとつくると、こういう構想が内々にあったわけです。事実、審議会の答申の中には、そういう答申もあった。ところが、いつの間にかなくなってしまった。いつの間にかといっても、私も審議会に参加したんだから、これはやむを得ないんですけれども。ということは時代の変化が、例えば市場外流通だとか、あるいはコールドチェーンの発達だとか、色々なことがあると思いますけれども、時代の変化についていけないわけです。
ですから、第一点目の早くやってほしいということと、あと二十年後とか三十年後にまた大きな時代の変化が訪れるかもわかりません。例えば、国民の栄養摂取量と要素を見て、ここにデータがありますけど、厚生労働省のデータなんかでは、若い世代には牛乳だとか乳製品の率というのが非常に高くなっている。こういうのが中年になって、高年になった場合にはどうするか。こういうこともあります。だから、時代の変化ということは非常に大きいわけだと思いますので、ある程度豊洲の市場をどんどんつくると同時に、将来にわたってある程度フレキシビリティーがあるような選択肢も入れておいてほしい。なかなか言うは易く行うは難いことなんですけど、この二点だけ要望いたしておきます。ありがとうございました。また、しばらく出てきます。

高橋会長
何かコメントありますか。ないですね。どうぞ。

川田委員
すみません、先ほど高津幹事からのお話をいただいたんですけれども、大体わかったんですが、質問の内容は、新市場の目標取扱量というところで、物量については、仲卸業者の直荷引きや他市場向けの集散品等という文言がございまして、他市場向けというのは、卸売会社の第三者販売と読んで取れると思うんですけれども、このいずれの二項につきましては、現行の卸売市場法では禁止をされている内容でありますけれども、国のほうでも、近々に卸売市場法の改定を行うというようになっておりまして、このルールが変わるかどうかはわからないんですけれども、都として仲卸業者の直荷引き、あるいは他市場向け集散品云々という文言を禁止の上で、ここに挙げられたのか、あるいは強力に都として、それを法律を変えていくということでお考えになって書かれたのか。どうしてご質問したかと言うと、仲卸業者の直荷引きと他市場向け云々ということは、卸売業者と仲卸業者の垣根がなくなっていくということで、先ほどのお話ですと仲卸業者にも直接販売もさせるということでございますと、小売と仲卸の垣根も可能な限り低くなる。市場全体が、今かなり規制がいろいろございますけれども、言ってみれば何でもありというような形でお考えで、フレキシビリティー大いに結構なんでございますけれども、ではどういうところまでお考えか教えていただきたい。

高橋会長
井戸幹事ですか。どうぞ。

石川幹事
今の直荷引きと他市場向けのいわゆる卸売業者の第三者販売の部分ですけれども、垣根論というお話がございましたけれども、確かに今の法制度の中では、それぞれ仲卸業者に対する直荷の禁止、あるいは卸売業者に対する第三者販売の禁止というのがございますけれども、先ほどの答弁にもありましたように、全国の中央卸売市場の開設者によります全中協としましても、現行の法制度の様々な規制が現在の卸売市場の低迷の一つの要因でもあるということで、規制緩和の提言をしたわけですが、その際でもやはり現行の直荷引き、あるいは第三者販売などについては、ある程度の緩和が必要であろうというように考えています。全廃というふうには申し上げておりません。やはり地域や市場の実情に応じて、直荷をしないと荷が集まらないという市場もありますし、第三者販売をしないと産地から来た荷物が十分に捌けないということもございますので、そういったところは少し緩めていって、垣根は少し低くなるかと思いますけれども、そういったことが必要だろうということで、提言をしたわけでございまして、私どもも基本的にはそういう認識でございます。

高橋会長
井戸幹事、何かありますか。

井戸幹事
ございません。

関本委員
なければ。

高橋会長
どうぞ。

関本委員
いいですか。

高橋会長
では、まず質問を先にどうぞ。

関本委員
質問というか、要望と両方合わせまして、築地の業界に入っているものですから、私からやっぱり一言言わないとまずいなと思って。よろしゅうございますか。
大変、きょうは貴重なご意見を皆さんからいただきまして、我々も大きな参考になったというわけでございますが、私は水産業界を代表しております関本でございます。よろしくどうぞ。
ただいま東京都の碇山市場長を始め、皆さんからのご説明にもございましたが、私の意見を申し上げますと、今回の各項目については東京都に対し、業界といたしましても十分に意見を提案し取り上げていただいた部分もございます。今回は基本構想とのことでありますので、大筋においては了承するところでございますけれども、まだまだ基本的な問題として各業界のゾーニングの位置の問題、水産の取扱規模と施設規模、場内物流の円滑化を図るための配置、動線の計画などが挙げられておりますので、これらの問題について、今後行われます基本計画において、十分なる検討を行っていきたいと存じますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
なお、ゾーニングが決定次第、場内外の出入り口の増設と、さらに交通アクセスの問題については、再度ご検討いただいて、異論のないようにしていただきたいと、かように思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
さらに、大分各委員からご意見も出ておりますので、私から今更と思いますけれども、建設予定によりますれば、これの六ページにも書いてありますけれども、スケジュールによりますれば、開場時期が平成二十四年度から二十八年度と、長期に渡るわけでありますので、築地市場の現状、手狭な状態など、現状をよく踏まえていただいて、できるだけ早く開場にこぎつけていただくように努力を願いたいと、かように思っているわけでございまして、橋の問題、いろいろありますので、国との関連もあるでしょうけれども、東京都といたしましてもよろしくどうぞお願いを申し上げたいということを、さらに強く要望いたしまして、私の要望を終わります。以上です。

高橋会長
それでは、渡辺委員。

渡辺委員
私は意見を申し上げたいと思います。私はこれまでの我が党のスタンスを踏まえて、意見を述べたいと思います。
我が党は築地の豊洲移転については、地元区や関係者との合意が前提であることを主張してきたところです。現時点においても中央区を始め、また市場関係者の中にも反対意見や危惧の声も根強く残っています。土地の確保という点では、合意したとはいえ、移転についての反対が根強く残っているという問題を未解決にしたまま構想をどんどん具体化していこうとする姿勢は好ましいものではないと、私は考えます。関係者の反対意見をそのままにして進めていこうとする態度は、私たちがこれまで指摘したように、移転先にありきということを裏づけているかのようなものと言わざるを得ません。新構想では関係者が危惧し、我が党も指摘してきた問題が現実のものになりかねないことを示していると受けとめています。
新構想では、最初から新市場の目指すべき方向として、これまで卸売市場を支えてきた仕組みの見直しをするとしていること、競争原理の一層の導入を促進すること、そして適正な受益者負担に基づく計画的、効率的な施設整備、運営など、多様な整備手法の導入などが打ち出されております。これは今でも赤字で大変なところなのに、今後の卸、あるいは仲卸始め、市場関係者の営業を一変するような事態さえ起こり得ると考えておりますし、多くの関係者が廃業を余儀なくされるような事態にもなりかねない、そういう危惧を私も持たざるを得ないところであります。
取扱量につきましても、今後の築地市場取扱量の変化要素を見れば、その取扱量は昭和六十年代に戻っており、現在横ばい状況にあることも明らかにされております。このことも十分考慮すべきだと思います。
また市場の会計について申し上げますと、累積赤字を重ねていますが、この大きな要因は大田市場や世田谷市場など、新市場の大型化による過大な設備投資にあると思います。そこへ今度は築地市場の大型化ということで、神田市場の売却費はあるにしても、大変な設備投資になるわけであります。
この築地の移転に伴う大型化、あるいは重装備というものは、市場会計を一層悪化させていくおそれが十分に考えられるところでもあります。
様々な総合的に考えれば、以上申し上げたような内容です。具体的な問題については、まだ私ども述べる立場にはありませんけれども、以上の立場を申し述べて、この基本構想については承認できないということだけは、申し上げておきたいというように思います。以上です。

高橋会長
ほかにどなたかご発言ありますか。ありませんか。それではよろしゅうございますね。
閉会ということになりますが、その前に碇山市場長から発言をお願いしたいと思います。どうぞ。

碇山幹事
豊洲新市場基本構想につきまして、委員の皆様方には貴重なご意見を賜りまして、大変ありがとうございました。
これから、基本構想に引き続きまして、基本計画の策定に取りかかってまいります。冒頭にも申し述べましたが、今卸売市場を取り巻く社会経済環境が大きく変化してございます。これらの状況のもとで、卸売市場が十分に今後ともその役目を果たすためには、私どもが、これまで進めてまいりました改革が結実した、時代の風に適った市場システムを一層構築していく必要があると考えてございます。今後、基本計画策定の過程で、委員の皆様方からご意見を賜りながら、新市場づくりを進めてまいりたいと考えておりますので、一層のご理解とご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました。

五、閉会

高橋会長
それでは、本日予定しました議題はすべて終了いたしました。委員の皆様方には、大変お忙しい中を長時間にわたって、ご熱心なご意見をいただきましてありがとうございました。本日ご報告いただきました豊洲新市場の建設は単に築地市場の移転ということにとどまらず、卸売市場の今後のあり方を示すことになる重要な議題であると考えます。今後新市場の基本計画の策定に向けて、審議会といたしましても、でき得る限り多くの意見を反映することができますよう、積極的に取り組んでまいりたいと思う次第であります。
これをもって第五十七回東京都卸売市場審議会を閉会といたします。どうもありがとうございました。
午後十二時十九分 閉会

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