練馬区上石神井「花の店 花勝」
自信を持って選んだ花だから、自信を持って売る。
プロの誇りを持ちつつ、気軽な雰囲気で信頼を獲得。
経験に裏打ちされた確かな判断基準
「気をつけているのは季節感ですね。ガーベラやアジサイなど、今は大輪系の花が流行ってるんですけど、旬の花っていうのを大事にしていかないと」
「花の店 花勝」の二代目・太田陽久さんを訪ねたのは12月初旬のこと。店頭には真っ赤なポインセチアが聖なる日の訪れを告げていた。
「箱を開けて自分の目で見て、これならいいだろうって判断することができるんです」
市場から品物を仕入れるのは、経験によって培った確かな目で商品を選ぶことができるからだという。
また、お客さんからの注文に応えるため、セリで買えなかったときには仲卸で買う。こうして必要なものがきちんと揃う点も市場へ足を運ぶ理由だと話してくれた。
きれいな花はどんなシーンでも喜んでもらえる
花を扱う仕事の醍醐味を太田さんはこう語る。
「人に喜んでもらえるんです。悲しいときも、うれしいときも」
結婚式や記念式といったお祝いのシーンは当然のことながら、弔事においても「きれいなお花をありがとう」と喜んでもらえる。だからこそ、トルコキキョウやアルストロメリアなど菊以外の白い花も使ってオリジナルの装花を施すのだという。
こんなエピソードもある。
「レストランウエディングのお仕事で会場のプロデュースをやったんですけど、新婚旅行のおみやげを持ってわざわざ店まで来てくれまして。あれはうれしかったですね」
自分がつくった花(デザイン)を誰もが気に入ってくれるとは限らない。しかし、自信を持って販売するし、自信を持って仕入れてくる。
「そういう姿勢を僕は明確にお客さんに出していこうと思ってるんです」
新婚カップルがお礼にとわざわざおみやげを持ってきてくれるのも、この信念をお客さんも感じ取っているからなのだろう。
男性にはもっと花と親しくなってもらいたい
お店ではどういった接客を行っているのか尋ねた。
「差し上げる相手の方の年齢とか、どういうシチュエーションでお渡しするのかをうかがいます」
そこで主になる花の色を決め、主になる花を決め、さらにブーケタイプがいいのか、足の長いタイプの花束にするのか、お客さんと会話しながらニーズを引き出していくという。
「みなさんには、お花ともっと親しくなってほしい」
特に、男性から女性に向けたパーソナルユーズ。ギフトとしてだけでなく、もっと気軽に花をプレゼントできるような価格設定や、買いやすい雰囲気など、花屋はもっと勉強しなくてはいけないと太田さんは話す。
花の業界に男性がいるのは特に珍しいことではないように、お客さんにも男性がいて不思議ではない。
今よりもう少しだけ花が身近な存在となってくれることを願う。
データ
花の店 花勝
〒177-0044 東京都練馬区上石神井1-13-11
TEL:03-3920-8715 FAX:03-3928-8783
営業時間:10:00~19:00
休業日:火