市場のことば
市場で使われているムズカしいことばを解説するよ。
中央卸売市場と地方卸売市場
中央卸売市場とは
生鮮食料品等の卸売のために開設される市場であり、開設にあたっては一定規模以上の施設規模が必要とされ、農林水産大臣の認定が必要。
地方卸売市場とは
生鮮食料品等の卸売のために開設される市場であり、開設にあたっては都道府県知事の認定が必要。
生鮮食料品や花きの取引場所である点では中央卸売市場も地方卸売市場も同じです。
卸売市場法
卸売市場の基本方針を定め、生鮮食料品等の取引を正しく行い、その生産や流通がスムースに行われ、国民生活の安定の助けになることを目的とした法律です。この法律に基づいて中央卸売市場は開設しています。
せり売(せり)
売り主が多くの買い手に競争で値をつけさせ、最高の値を付けた人に売る取引方法です。市場で行うせりには"固定せり(見本せり)""移動せり(現物せり)""機械せり"などがあります。
固定せり(見本せり)
商品すべてではなく、見本を見せながら行うせり。一段高い台にセリ人が乗り、品物の品質や大きさ別に順番に売っていきます。買い手はヒナ段に乗り、手やり(※1)で欲しい値段を示していきます。
移動せり(現物せり)
商品すべてを見せながら行うせり。せり人は小さな踏み台を持って、次々と移動してせりを行うのでこの名称がつきました。全部の品物を見せながら行うので現物せりともいいます。
機械せり
手やりを使わずに機械を使って行うせり。食肉市場では、せり値表示装置を使ってせりを行います。花き市場の一部では、せり時計といわれる電光表示板に情報が流れ、品物を見ながら取り引きします。せりのスタートとともに買い手は手元のボタンを押し、瞬時に値段を決めていきます。花きは種類や量 がとても多く、このシステムにより取引時間が短縮され、値段の間違いもなく、正確に適正な値段が決められます。
手やり(※1)
価格を指で示すサイン。せりの時、大声を出すのはせり人だけ。買い手は黙って手やりで値段を示すだけです。せり人は大勢の人の手やりを見定めて、一番高い値段の手やりの人を指名してせり落とします。
相対売(あいたいうり)
売り主と買い手が交渉により値段を決め売買をする方法。
入札(にゅうさつ)
買い手が用紙に単価など必要事項を記入して売り手に渡し、一番高い値段を付けた人が買う事が出来る取引の方法。
生産者
農家や漁師、漁業会社など、自分で野菜を作ったり、魚を捕ったり養殖したりする人たちを生産者といいます。
出荷者
野菜や魚などを市場へ出荷する人のこと。出荷者には個人の場合と出荷団体の場合があります。 東京や近郊の農家の人たちは畑でとった野菜などをトラックに積んで直接自分で市場に出荷します。これを個人出荷といいます。 農業協同組合や漁業協同組合など、農家や漁師などの生産者が共同して野菜や魚などを出荷するための組織を出荷団体といいます。農家は収穫した野菜などを農業協同組合の集荷場(※2)に運びます。そして、大きさや品質を基準に品物を等級別 にまとめ、市場に出荷します。農産物ではその多くが農業協同組合から共同して出荷しています。
集荷場(※2)
農業協同組合などで、収穫した野菜や果物など大きさ、品質により分類し、段ボール等に箱詰めし、出荷のための準備をするところ。
検疫(けんえき)
外国から船や飛行機で送られてくる輸入食品は、港や空港などで、食品の安全性の検査を受けます。これを検疫といいます。
魚河岸(うおがし)
もとは「魚市場のある川の岸」の意味から魚市場を意味する言葉になりました。特に旧築地市場は"魚河岸"の愛称で呼ばれていました。
やっちゃば
青果市場のこと。せりの声が一般の人には「ヤッチャヤッチャ」と聞こえたので、「やっちゃば」というといわれています。
切り花
茎が切ってあり、主に花びんに生けて楽しむ花。バラやキクやユリなど。
はち花
鉢に入っている花。シクラメン、ベコニアなど。上手に育てると、多年生のものは何年も楽しめます。
マリ値
せり値が同じ値段になること。
代(だい)・代売り(だいうり)
全部という意味。