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中野区中野「こみや鮮魚店」

共存共栄、地元に根ざす鮮魚店

毎日訪れる小さなお客さん

「ただいま~」夕方ランドセルを背負った小学生たちが大きな声で店の前を通り過ぎる。すると刺身の盛り付けをしていた店主の小宮高之さんが顔をあげ、「お帰り~」と応える。この商店街ではありふれた光景だ。「あいさつ運動」の類で誰かに強制されたわけでもない。「いつからか店の前を通ると挨拶してくる6年生位の子がいたんです。こっちも応えているうちに、いつの間にかそれが伝わってたくさんの子たちと店の前を通ると挨拶するようになったんです」。特にお互いよく知っているわけではない。子どもたちからみればお魚屋さんのおじさんだ。マンションともなれば隣室の住民の顔も知らなくて当然という都心にあって、懐かしい風情のあるのがここ天神商栄会だ。そんななかで「こみや鮮魚店」は地元に根ざした鮮魚店として創業45年を迎える。元々は小宮さんの父親が同じ場所で鮮魚店と飲食店を営んでいた。別の鮮魚店で修行をしていた小宮さんが家に戻り飲食部門をやめて鮮魚に特化した。現在は小宮さん夫婦と息子の佑介さんとが店を支える。

画像:細い通学路に面した店舗。すぐそばに北野天神がある

細い通学路に面した店舗
すぐそばに北野天神がある

小売ならではの役割と強み

歩けば、すぐに中野駅。スーパーや大型店舗も多い。だが、自然と共存共栄が成り立っているという。対面販売を好んでくる人は特に年配者に多い一方、小さいお子さんのいるママさんや仕事帰りにお酒のつまみを買いに寄る男性客もいる。
「今日秋刀魚はどう?」
「今日は高かったからね。明日の方がいいと思うよ」
「このマグロ焼いたらいいかしら?」
「今日のは脂が少ないからね。ソテーがいいんじゃないかな」。
こんなやり取りが毎日客との間で交わされる。価格にしてもスーパーの安売り価格はつけられないが、今日はごちそうにと、質のいい品を求めてきた客には応える自信がある。また、若いだけあってフットワークの軽い息子の佑介さんが品物のお届けにも走る。小回りの利きはスーパーにはない。つまりスーパーに競り勝とうとか、ことさらスーパーを意識するでもなく、自然とニーズに対する役割が出来上がっているのだ。

画像:鮮魚が並ぶショーケース取材中に「さんまを5尾焼いておいて」という注文のお客さまも

鮮魚が並ぶショーケース
取材中に「さんまを5尾焼いておいて」という注文のお客さまも

頼もしい後継者

毎日息子と交代で築地市場に仕入れに行く。市場の豊富な種類と量の品々は小売にとっての安心、安全、そして安定をもたらしてくれるという。息子の佑介さんは大学卒業後、入店する前に水産加工の会社に勤務し、そこで海産物の輸入や仕入れ、またスーパーへの卸などにも携わった。市場、スーパー、そして現在の小売と、魚の流通のさまざまな局面を見てきた。
幼いころから魚をさばく父親の背中を見て育ってきた。店を訪れた人が父親と言葉を交わし、笑顔で帰っていく。近隣にスーパーができ、小売が不利になることは分かっていたが、ぜひ残していきたい仕事だと確信し早くから店を継ぐことを志した。とにかく魚が好き。学生時代から姉と二人でお店の手伝いをしていた。それでも休日くらいは魚から離れたいかと思いきや、趣味は釣り、お出かけ先は水族館。魚を扱うのは仕事でもあるが、"研究"しているような思いもあるという。「中野のさかなクン」だ。後継者がいないのが商店街の小売に多い悩みだが、こみや鮮魚店では早々に問題にならなかった。
「行ってきま~す」
さっきの小学生がお稽古事に出かけた。
「行ってらっしゃ~い」
今度は佑介さんが応えた。

画像:組合のホームページ内には、家族の似顔絵が掲げられている

組合のホームページ内には、
家族の似顔絵が掲げられている

画像:店主の小宮高之さんと息子の佑介さん

店主の小宮高之さんと息子の佑介さん

データ

こみや鮮魚店
〒164-0001 東京都中野区中野5-11-11
TEL:03-3387-0116 FAX:03-3387-0116
営業時間:10:30~20:30
休業日:日曜日、祝日

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