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杉並区西荻北「小高商店」

旬の品が持っている力で、お客さまは大満足。
遠くからでも足を運びたくなるお店。

お店に並ぶ野菜・果物は常時200品を越える

JR中央線西荻窪駅北口、みどりの窓口前の細い道を入っていくと、右手に「やさい・くだもの小高商店」の看板が見えてくる。お昼過ぎだというのに、お客さまでいっぱいだ。二代目ご主人、小高吉行さんにお話をうかがった。
「表通りのほうで店を始めたのは60年ほど前だね。こちらに移ってきてからも10年ほど経つかな。私が二代目。この通りも、30年ほど前までは25軒くらいのお店が並ぶ商店街だったの。けどね、10年ほど前に、パタパタっと閉めちゃった。いまは私のところと、あと3件くらいかな。ありがたいことに、私のところは続けていられる。けっこう遠くからでも、お客さまが来てくれるからね」
日によって違うが、忙しい日は7人から8人で店を切りまわしているとのこと。常時200品以上が並ぶ店頭は圧巻の迫力だ。
「お店で売るのが8割、残りが納めだね。お店に来ていただくお客さまに、野菜のことや果物のことをお話して、もちろん料理の仕方や、保管の仕方も。なんでも冷蔵庫に入れちゃう人もいるからね(笑)」

画像:店頭には所狭しと品物が並ぶ

店頭には所狭しと品物が並ぶ

気配り、目配り、声かけの妙技が続く

「昼ぐらいから午後二時半くらいまでが、始めのお客さまの波、次が夕方の五時~六時だね。あとは店を仕舞う前。どの時間帯のお客さまにもそれぞれ特徴があってね。買うまでの品の見方も違うように感じるよ」
ご主人は、取材のあいだも店頭の様子から目を離さない。お客さまが手に取った果物に、「それ、常温で一晩おいておくと、もっと甘くなるよ」とか、ソラマメを手に取ったお客さまには、「マメごはんがおいしいよ。ごはん、何合炊くの?」だとか、ひっきりなしに声をかける。
「これが楽しいのよ。黙って売ったってつまらないでしょう?せっかく来ていただいたのに。せっかくいい品を仕入れたのに」
今度はみかんを買いに来たお客さまが「あっち(別の店のことらしい)で買ったのがあまりおいしくなかった」というのを聞いたご主人は、すかさず、ひとつ手にとって皮をむき始め、お客さまに勧めはじめた。
「どう?おいしいでしょう?和歌山や愛媛も、もちろんいいんだけど、これは佐賀。おいしいのよ」
流れるように語りかけるご主人。見ほれるばかりだ。次は、なにやら大きめの黄色いかんきつ類をむき始める。
「これはね、メロゴールドといって、ぶんたんとグレープフルーツのいいとこどりなの。身がきれいに離れるから、野菜と合わせて、サラダ仕立てにしてもいいよ」

画像:「ちょっと待って、いちばんいいのを出してあげるから」と、お客さまに声がけし、棚へ行くご主人

「ちょっと待って、いちばんいいのを出してあげるから」と、お客さまに声がけし、棚へ行くご主人

画像:「メロゴールド」を切り分けて味見を勧めるご主人

「メロゴールド」を切り分けて味見を勧めるご主人

旬の野菜・果物の力は、街を元気にする

仕入れについて、日ごろから心がけていることをうかがうと、こんな答えが返ってきた。
「いまは、東京都国立地方卸売市場から入れているの。いい品が揃っているしね。私は、旬の品を中心に仕入れて、それを、高くてもそのままのお値段で買っていただくの。旬の品と、ほかを組み合わせて、料理の仕方なんかもお教えしてね。そうすると、おいしいからまた来てくれる。少々高くても、また続けて買っていただけるの。ビニールハウスなんていうのができちゃったから、いつが旬なのかわからない品が増えているけどね。時期外れのモノを買ってもらったって、おいしくないし、お客さまに喜んでもらえない。旬がいちばんおいしいんだから」
ご主人はそういうと、次のお客さまに声をかける。
「みてごらんなさい。これはほうれん草でこっちは小松菜。太くておいしそうでしょう?」
旬の力と、ご主人のコトバの力で、お客さまの食卓は、今夜も笑顔でいっぱいになるに違いない。

画像:「旬がいちばん」と、笑うご主人

「旬がいちばん」と、笑うご主人

データ

小高商店
〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-20-7
TEL:03-3399-8243 FAX:
営業時間:9:00~19:30
休業日:日曜日

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