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荒川区西尾久「宮前青果」

二代目ご主人の商いの流儀に、三代目夫婦の
新たな「気持ち」が重なっていく心地よさ

半世紀以上も、街を見守ってきたお店

都電荒川線、宮ノ前駅で降りると目の前。女子医大通りの入り口に、宮前青果がある。二代目ご主人の馬場博繁さんにお話をうかがった。
「先代が足立区から引越してきてこちらで開業したのは私が生まれた年のことですから、早いもので、もう65年になりますか。私が継いでからでも40年以上になります。当時からこのあたりには大きな建物もなく、それこそ女子医大、いまは東医療センターになっていますが、それがあったくらいですから、眺めはあまり変化がないかもしれません。変わったことといえば、都電通りが広がったくらいじゃないかな。もっと軒先ぎりぎりを走っていたものです(笑)。高度成長の始まりだったけれど、まだ、もやしでもキュウリでも、カゴヘじかに盛って、ひと山で10円とか、そんな時代だったと思います。それでも売ってきましたよ、まっとうな商売で。今もそのころの心意気でやっています」

画像:明るく広い窓で、中まで見える店頭

明るく広い窓で、中まで見える店頭

お年寄りにも、若い人にも大人気の商品とは?

「お店に来てくれるお客さんは、お年寄りが多くなりましたね。高齢化もあるのでしょうけれど、若い人は、一店舗で何でも揃うスーパーにいきたがるのかもしれません」
野菜や果物の仕入れや、お客さま対応について気を使っていることは、と尋ねてみた。
「仕入れは北足立市場へ行っています。11号線を使って、20分くらいですね。青果部が北足立市場へ移転するまでは足立市場へ行っていたのですが、北足立のほうが、渋滞と反対になるんで楽なんですよ(笑)。自分の目で、いろいろな品を比べて仕入れできることが、市場を経由する商品の良さです。そうして、お客さまと話をしながら販売するところが、この商売のいいところだと思っています。今日の野菜はどこで獲れたもので、こうやって料理したら、いっそうおいしく食べてもらえますよ、とか。逆に教えていただくこともありますよ。お年寄りはよくご存知ですしね」
ふと気が付くと、取材中にお店に入ってくるお客さんのほとんどが、「今日は漬物は?」とたずねる。ご主人に聞いてみた。
「ぬか漬けなんですけどね。これは、若い方にも評判がいいんです。特別なものは入れていませんよ。よくビールを入れるとかヨーグルトがいいとか言いますが、ウチのは特別なことはしていません。よくかき混ぜること。ただ、温度は気を使います。たとえば冬場は、野菜によって、少し暖かいところに置いてやったり、そうでなかったり。漬かりやすいものとそうでないものを時間をずらして漬けたりといったことはしています。夏場は、暑すぎるとこんどは漬かりすぎてしまいますから、オープンケースの前に持ってきて涼しくしてやったりね」
それだけ気を使ってあげれば、もともといい野菜なのだし、ぬか漬けだっておいしくなるに決まっている。人気商品にもなるはずだ。

画像:近くのコンビニが閉店。お客さまのために、飲み物まで並ぶ後ろの棚

近くのコンビニが閉店。お客さまのために、飲み物まで並ぶ後ろの棚

画像:大人気のぬか漬けは、店頭の樽の中に

大人気のぬか漬けは、店頭の樽の中に

三代目夫婦を見る二代目の目が優しかった

「青果店も跡継ぎ問題は、けっこう深刻です。うちは、息子夫婦が継いでくれるというので、とても幸せなことですけれど。息子夫婦が市場に行くと、うらやましがられるんですよ。楽な商売ではないということを承知の上で、やってくれています。ありがたいことです。地域の方のために、今後もいい品を提供していきたい」
三代目となる息子さんからも、お話をうかがった。
「この地域の活性化のために、秋には、宮前商店会と女子医大が主催で、地域交流イベントが開催されていたのです。『宮前わくわくコミュニケーション』というのですけれど、イベントは1日きりなのに2,000人を越える大盛況で、もう3回行いまして、私も手伝っていました。女子医大が移転するかもしれないという話もあり、今後も開催されるかどうかはわからないのですが、何か地域のために出来ることがあれば、この店もいっしょにやっていければいい。商品には自信があるんです」
そういった三代目の顔は、とても誇らしげに見えた。そして、それを見守る二代目の目は、とても優しかった。

画像:三代目ご夫婦と並ぶご主人

三代目ご夫婦と並ぶご主人

データ

宮前青果
〒116-0011 東京都荒川区西尾久2-4-17
TEL:03-3800-8083 FAX:03-3800-8083
営業時間:10:00~20:00
休業日:日・祝日

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