論点その2 第1回コンセプト懇談会資料
築地市場の取扱量は増えるのか、減るのか、横這いか?
消費
変化の要因
- 2007年をピークに、日本の人口は減少に向かう
- 一人当たり消費量は頭打ち、高齢化でさらに小食化
- 携帯電話代は払うが、食費に掛ける金はない若者が増加
- 内食の減少、中食・外食の増加
- 家事は面倒(食事の後片づけは特にイヤ)、ゴミは買わない
- 美味しいものは食べたい。健康・安全・こだわり志向は強まる
- 安くなければ買わない。安くても品質が良くなければ買わない
顧客
- 小規模小売・飲食店が減少、量販店・チェーン店が増加
- 仲卸店頭での買い回りが減り、電話・FAXによる注文が増加
- 相場が安くても、余分には買わない、見込みでは買わない
- 小規模店が納め業者からディスカウントストア仕入れに移行
- 仲卸に求められる調整・加工・パック詰・ピッキング・配達機能
- 商品管理、衛生基準に対する目が益々シビアに
流通
- 輸送の大型化で大規模市場への荷の集中(横浜魚類が築地仕入れを開始)
- 開設区域を越えた客の奪い合い(大阪魚市が銀座に営業所を開設)
- 増えないパイを巡って競争が激化。棲み分け、垣根が崩壊。
- ネット・ビジネスは、試行錯誤からやがて本格的な展開へ
- 量販店は物流センターの共同化を模索(巨大物流センター出現の可能性)
- 商品開発、新食材の発掘機能が重要に
- 多様な流通チャネルが、集荷力、物流効率化、決済条件等を巡り競争
取扱量の見通しと築地市場の将来像
消費の減少、市場外流通の拡大で取扱量の増加は困難。
築地市場は、優位な鮮魚部門に特化して生き残れば良い
生鮮専門市場への特化は、築地の優位性の放棄ではないか?
全国の鮮魚需要を一手に引き受ける販売力があるか?
集散市場への荷の集中で通過物が増え、取扱量は拡大。
ただし、市場業者の売上に寄与するよう、工夫が必要。
混載での搬入が増える中で、集散機能を積極的に是認すべき
卸・仲卸の売りに取り込むための方策は何か?
消費者ニーズを把握し、高コスト構造を是正すれば
取扱量が維持でき、基幹市場へと再生できる。
需要の掘り起こしや新たな食材の開発をどう進めるのか?
リテールサポート機能の強化や物流効率化をどう進めるか?
商圏を拡大して市場間・チャネル間競争に勝てば
市場の取扱高は拡大できる
これまでの取引・物流・経営体質で、それが可能か?
何処に向けた商圏の拡大か?(首都圏?全国?世界?)
記事ID:016-001-20240925-007992